前半パートでは「学校教育が若者の可能性を潰している!」ということについて進めていきました。
こういう話をするのであれば、
という意見が出てくると思うので、
ここからは、私が考える、今よりはまともな教育課程について、お話させていただきます。
1:授業は基本的にオンライン授業
英語、国語、数学、理科、社会、40人規模の生徒に対して一人の教師が授業をする、教室の中で完結するような授業を敢えて学校で行う必要はありません。
座学の授業をオンライン授業に切り替えた上で、必要最低限のものを必修授業として残した上で、その他の科目については選択授業にします。
今あるカリキュラムの中で大切なのは、言語活動と論理的思考力、考える力を鍛える目的として、国語と数学だけを必修授業にする。
それ以外は学校の特色に合わせた特別な授業、もしくは選択授業です。
英語の授業など、もはや日本人が教える必要はありません。
高校生が英語の授業を受けて、せいぜい英検3級に通るか通らないか程度の内容しか身につかないのであれば、それは時間の無駄ですし、本気で英会話を学ぶのであれば、VRを利用してネイティブな外国人とコミュニケーションを図りながら訓練した方が効率的です。
大学受験対策のための英語力であれば、尚のことオンライン授業で一流講師の授業を受講した方がいいでしょう。
その他、家庭や芸術、理科の実験など、実技が伴う内容は、選択科目とする。
オンライン授業にすることで、教師の授業時間数が自ずと削減されるので、
加えて選択科目として、生徒たちには自分にとって本当に必要な科目をだけを厳選してもらいます。そうすることで少人数教育を達成して、授業の質をさらに向上させることが可能です。
体育は廃止です。体育科教員はクラブ活動指導に専念します。
今、クラブ活動を外部指導者に任せようという動きが起こってますが、
もしも外部指導者の指導に問題があった時に、一体誰が対応するのでしょうか??
その予算は誰が負担するのでしょうか??
県が負担するのであれば、県の財政は確実に悪化します。
教育予算は益々削減されるので、教師の定員は減らさないといけなくなるでしょうし、今の停滞した学校現場はますます厳しい状況になっていきます。
という議論が出発点となって、
教師の負担削減のためにクラブ活動の指導を外部指導者に委ねられる機運が発生したわけです。
それなのに
って保護者に泣きつかれても本末転倒な話です。
それならいっそのこと体育の授業は廃止にして、体育科の教員をクラブ活動に専念させてあげたらいいわけです。
申し訳ないですが、私自身が素人なので何もわからない立場ではありますが、
私自身の学生時代の記憶から、ただスポーツやって軽く身体を動かして汗を流した程度のことしか残っていないので、それであるならば、広いグラウンドと用具だけ解放して、放課後、適度に身体を動かしたい生徒たちに、スポーツをする環境だけ提供してあげたらいいと思います。
道具の管理など、体育科の免許が無くても出来ることだから、学校職員全員で当番制にでもすればいいでしょう。
こうやって、授業をオンライン化にしたり厳選していくと、
1日に必要な授業時間数は、3時間以内に収まってくると思います。
2:定期考査は全国共通のものを活用
もうすでに多くの学校で基礎力診断テストという、英語、国語、数学の基礎力を診断するテストを行っています。進学校であれば、せっかくの休日にわざわざ学校に登校して模試を受けていると思います。あのテストをわざわざ授業の時間とか休日を削って実施するのではなく、定期考査に置き換えてしまえばいいんです。
今、高等学校の現場は観点別評価の導入で、慌ただしくなってますが、こうしておけば3観点のうち知識面の評価を教師が行う必要はなくなります。これは生徒たちだけでなくて、教師側にも多大なメリットがあります。
テストが全国共通のものになるのであれば、教師はオンライン授業のためのコンテンツを準備する必要はありません。動画教材も当然外注です。もしも、予算がなければ、その辺のYouTube動画が代用すればいいでしょう。
定期考査の成績が悪かった生徒は、オンライン授業によって学力の向上を見込めないわけですから、そういった生徒たちだけに補習授業を施します。
それがオンライン授業を導入した学校における教師の仕事です。
毎日やるわけではなくて、夏休みとか長期休業中に学校に呼び出して個別指導です。
補習のない生徒は文字通り夏休みです。普段勉強を頑張ったご褒美だと思って、全力で夏休みを満喫してください。
こういうふうに現在の教育課程を精査していくと、高等学校の教員数が多いことに気づいてくることでしょう。
小学校の先生は、毎日全ての科目を教えないといけないので大変です。
そのような先生たちに対して、高学年の理科の授業を代わりに行ってあげたり、授業が成立しにくい音楽の授業のティーチングアシスタントとしてフォローに回るだけでも大変大きな戦力になります。
高等学校から配属される先生は、特定の小学校に配属させるのではなくて、非常勤講師のような形態で、何箇所か近隣の小学校を回りながら、合計で週10時間程度の授業を担当すればいいと思います。
3:高校生の時間割
以上を踏まえた生徒たちの1日の時間割はこんな感じになります。
こちらのスライドは、私が教員をしていた時に、あるクラスの授業で提案した内容になってます。
当時工業高校に在籍していたので、実習という科目が入ってますが、普通科高校だったら選択科目になると思います。
あくまでも今よりはマシな提案ということで、これが絶対いいとは思ってません。まだまだ検討の余地は十二分に残されていると思いますが、
全てをオンライン授業にして生徒の裁量に任せてしまうと、自宅で全く勉強しない生徒が出てくるかもしれない…
ということで、時間割の中に数学とか国語とか入ってますが、
もしくは、既存の学習内容を教えるよりも「自己管理能力を鍛えられる」教育の方が必要な気がします。
そうなると、朝の1時間目の時間に学校に登校することを強いる必要もなくなってきます。
生徒が毎日、必ずしも学校に行かなくても良いのであれば、生徒の頭髪を事細かに指定する必要も制服を着用させる必要もなくなってきます。所謂校則というものが必要ではなくなってくるので、生徒指導部の業務内容も大幅に変わってくるでしょう。
とりあえず、この案に沿った生徒たちの1日の生活のイメージは、こんな感じです。
規則正しい生活習慣を身につけるために、午前中は学校に登校する。
数学や国語の座学系の授業は、教室の自分の座席に座って、各自の進捗状況に合わせてオンライン授業を進める。そして、選択科目や実習の授業を含めた午前中の授業が終了したら放課。
午後は、クラブ活動をする生徒は各々の活動に専念する。
大学進学とか学業に力を入れたい生徒は、教室に残って自習するのもあり。学費を稼ぎたい生徒は午後からアルバイト。友だちと遊びたいのであれば、そのまま遊びに出かけるのもOK。
そして、夜は家に帰って宿題です。
これについては、あくまでも目安です。定期考査で所定の結果を残せば良いので、時間の使い方を指定する必要もない気がします。
お昼に自分の好きな事をして夜は勉強の時間としておけば、深夜徘徊など夜の不適切な行為は少なくなることが期待できるかもしれません。
三重県下においては、2022年度から、高校入学時に1人1台のパソコンの購入を義務付けられています。各学校においては、「ICT教育だ!」と言っては、パソコンを活用した授業をしなくてはいけないと、先生方は必死に努力されていますが、授業でパソコンを使うことが目的のようになってしまっています。
そういった観点から考えていくと、パソコンというのは授業改善のための道具ではなくて、オンライン授業を導入するための道具であるはずで、
この辺りについては各学校が進めていこうとしている方向性と、私が理想とするところとが大きくずれています。
パソコンを活用すれば、動画や図解を提示しながらわかりやすい授業を展開したり、授業中に生徒からアンケートを取りながら、その結果に応じて授業展開を工夫してみたりと、従来型の授業に比べて大きな進化を遂げていくことと思いますが、
といったゼロベースでの議論が必要だと思いますし、
どんなに良質の授業であったとしても、その分野に全く興味を持てない生徒に対しては、釈迦に説法、豚に真珠です。
学校教育については、既存のシステムを一度リセットした上で、「生徒たちに必要な教育とは何なのか??」という本質的なところから再検討する必要があるのではないでしょうか。