【物理基礎】No.3 力のつり合い(②作用・反作用の法則)
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はじめに

今回は作用・反作用の法則について解説します。

 

作用反作用の法則は、ニュートンの運動の3法則の内の1つで、力のはたらきに関する法則です。

 

物体の運動を考察する時は、常に物体にはたらく力を意識しなければいけないので、この作用反作用の法則はとても重要な法則になります。

 

 

ここでは、作用反作用の法則の法則について確認し、「物体にはたらく力をイメージ出来ること」を目標に学習を進めていきます。

 

□動画による解説はこちらから↓↓↓

作用反作用の法則

 

まずは作用反作用の法則ですが、これは次のような内容の法則になります。

 

具体的な例を用いて説明すると…??

 

 

地上を走っているAさんが、地面からの推進力を得るために、地面Bを蹴るとします。

 

この時、Aさんは、地面Bからの反発力を受けます。

 

この2つの力が作用反作用の法則を満たす力となります。

 

まずAさんは地面Bに力をはたらかせます。

 

そうすることによって、地面BからAさんには、同じ作用線上から、大きさが等しく向きが反対の力がはたらきます。

 

 

このように、物体にはたらく力は1つの物体に一方的にはたらくのではなく、必ず2つの物体の間で、互いに及ぼしあうようにはたらきます。

 

 

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力のつり合いとの混同に注意!!

 

作用反作用の法則は、いかなる状況でも常に成り立つ法則なので、とても大切な法則なのですが、力のつり合いとよく混同されがちなので注意が必要です。

 

例えば、地球上で静止している人にはたらく力は、地球からの重力と地球からの垂直抗力で、この2つの力がつり合っているからこの人は静止していると考えます。

 

この時のつり合う2力は、同じ作用線上にあり大きさが等しく向きが反対なので、作用反作用の法則と勘違いしがちです。

 

作用反作用の法則は、物体Aから物体Bに作用させた時に、物体Bから物体Aに反作用の力を受けるとあるので、

 

作用・反作用の関係にある力は、それぞれ異なる物体にはたらく力でないといけません。

 

この図の場合だと、垂直抗力と作用・反作用の関係にある力は人が地面を押す力です。


垂直抗力は地面が人を押す力であり、人が押す力に反発するようにはたらく抵抗力です。

 

そして、人にはたらく地球からの重力に対する反作用の力は、人が地球を引っ張る力となります。

 

人が地球を引っ張るというと、ピンとこないかと思いますが、これについては物理の「万有引力の法則」の項目で、もう少し詳しく学習します。

 

質量を持つ物体どうしには互いに引力がはたらき、この力のことを私たちは重力と呼んでいますが、

 

重力の反作用の関係にある、人が地球を引っ張る方の重力は、地球の運動状態に影響を及ぼすにはあまりにも小さい力です。

 

したがって、地球上の物体の運動を考える時には、それほど重要な力ではないので、ほとんどの場合において無視されています。

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例題解説

それでは実際に問題を解いていきます。

例題

 

物体にはたらく力とその関係性を問う問題になっています。

 

だから、解答に移る前に、全ての力を書き出してみます。

 

物体にはたらく力を書き出す手順

 

物体にはたらく力は、次の2つの手順に従って書き込んでいきます。

 

それでは、早速、この手順に沿って力を書いてみます。

接触していなくてもはたらく力

 

最初に、接触していなくてもはたらく力ですが、地球上にある物体には重力がはたらくのでりんごと本と机に、それぞれ重力を書き込みます。

 

接触しなくてもはたらく力は、他に静電気力や磁力などがありますが、ここでは重力以外の力がはたらく要素については何も書かれていないので重力だけとなります。

したがって、これで接触していなくてもはたらく力の書き出しは終了です。

 

接触している物体からはたらく力

次に、接触している物体からはたらく力を書き込みます。

 

まずはりんごからですが、りんごに接触している物体は本以外にはないので、次に本にはたらく力を書き出します。

 

りんごには地球からの重力が下向きにはたらいていて、下から支えるものがなければ、真っ逆さまに落下してしまいますが、りんごは本の上にのっかって静止しています。

したがって、りんごは本から、重力を支えるような力が上向きにはたらきます。

 

 

これがりんごからの垂直抗力、本がりんごを押す力です。

 

そして、次に本にはたらく力に移っていきます。

 

今、本がりんごを押す力を書きました。

作用反作用の法則によると、本がりんごを押すということは、それと向きが反対で
同じ大きさの力がりんごから本にはたらくということなので、本にはりんごから押されるように下向きの力がはたらきます。

 

これがりんごが本を押す力で、本にはたらく垂直抗力と作用・反作用の関係にある力になります。

 

本にはりんごから押される力と重力が下向きにはたらいているので、下から支えるものがなければ、そのまま落下してしまいますが、本は机の上にのって静止しています。

 

したがって、机から本に、下から支えるような力が上向きにはたらきます。

 

 

これが机から本にはたらく垂直抗力です。

 

机から本に上向きの力がはたらいているので、作用・反作用の法則より本から机に、下向きの力がはたらきます。

そして、机を支えるように床や地面から上向きの力がはたらきます。

 

物体にはたらく力の関係を整理する。

 

これで、物体にはたらく力をすべて書き出しました。

 

ここで、それぞれの力に関係を整理しておくと、作用反作用の関係にあるのは、りんごが本を押す力と、本がりんごを押す力、本が机を押す力と机が本を押す力です。

 

 

参考までに、重力と作用反作用の関係にあるのは、それぞれ、りんごが地球を引っ張る力、本が地球を引っ張る力、机が地球を引っ張る力になります。

 

 

次に力のつりあいの関係です。

 

ここでは、りんごと本について見ていきます。

 

りんごも本も机も静止しているので、それぞれの物体にはたらく力は力はつり合っています。

 

 

したがって、りんごについては、f1とf3、本については、f2とf4の合力がf5とがつり合っています。机については、f6と机にはたらく重力が机にはたらく垂直抗力と
つり合います。

 

解答

これで物体にはたらく力が一通り整理できました。

 

ここまで来れば、ほとんど解答は終わったようなものです。

 

これまで確認したことを参考に(1)番から(6)番までを解答していくと、次のようになります。

 

それでは、今回の解説は以上となります。

 

□次回の記事

 

□この単元の記事

≪講義編≫

≪問題編≫

 

 

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