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皆さんこんにちは。

今回は、前回お伝えした新チームの構想(1.フィジカル強化)に引き続き、2つ目の「チームの環境整備」について、具体的な内容を展開していきます。

三重大学アメフト部における、大きな課題はフィジカル面の強化にありますが、その課題を解決していくためには、チームの環境整備およびファンの獲得が必要になってきます。

三重大学の選手と他大学の選手を比べると、総じて身体の線が細く、フィジカル面での勝負になると劣勢に立たされます。このような問題を抱えていながら、

なぜ三重大学アメフト部はフィジカル強化に専念しないのか?

という疑問を持たれる方も当然見えるかと思いますが、これにはきちんとした理由があります。

フィジカル強化を達成する上でネックとなるのは次の2点です。

1.戦術重視のチーム体制
2.十分な栄養の確保=食費の確保

戦術重視のチーム体制

フィジカル面において劣勢な状況下で、公式戦に勝つのであれば、対戦相手に対して戦略面で上回らないといけません。

そして、戦略の面でチームを強化する方針を取った場合、コーチングスタッフがスカウティングビデオをチェックして、データ分析を行い、戦略を練って、次の対戦に備えるのであればいいのですが、実際はそうではありません。

三重大学は学生主体のチーム運営を行っているので、全て選手が行います。コーチングスタッフから戦術の考案を受けることはありますが、最終的にプレーを完成させるのは選手たちです。

このような状況下では、4月の新歓期以降に、選手たちは日々の練習に加えて、一連のスカウティング業務が負担となってのしかかってくるので自ずと自主的に行うウエイトトレーニングの頻度が下がっていきます。

また、スカウティング業務に時間を奪われることによって、生活費を捻出するためにアルバイトを行う時間を失います。アルバイトを行う必要がないくらいに十分な仕送りをご家庭から受けていれば、何とかなるのかもしれませんが、実際はそのように恵まれた環境で生活できる選手はごく少数です。

そして、生活が厳しくなると自ずと食費を切り詰めて、生計を立てようとします。そうなってしまうと、肝心の秋季リーグが開幕する9月頃には、栄養面でのコンディションは最悪の状態に陥ってしまいます。

そしてもう一つ都合が悪いことに、

スカウティングなど次戦に向けた対戦準備は、知識や経験に秀でた最上級生が中心となって行うことになりますが、それによって自主的なトレーニングを疎かにしてしまうと、その姿勢を見ている1年生を始めとした下級生に悪影響を与えてしまいます。

1年生に対して、アメフト部員としての適切な生活習慣を定着させたくても、試合への準備に手一杯な状態の最上級生にはそれが出来ません。その結果、自主的なトレーニングを行わない集団へとチームを変質させてしまいます。

これは、私自身が現役の頃から感じていたことで、今は、当時に比べるとかなり改善されていますが、チームにおいては、『戦術で勝つ』ことから『フィジカルで勝つ』というマインドセットの変革が求められます。戦術を重視するのであれば、まずアナライジングスタッフの育成やコーチングスタッフを拡充するなどの段階を経るべきであると私は考えます。

十分な栄養の確保=食費の確保

フィジカル強化を阻む不安要素とマルチタスク

三重大学が戦術重視の方針から、フィジカル重視の方針に切り替えようとしても、フィジカル強化など出来るわけがないという不安が付きまとうと、なかなかその決断を下すことが出来ません。そして、その不安要素は、現実のものとしていくつか存在しています。

その不安要素とは具体的に、

劣悪なトレーニング環境、個々の栄養面での知識不足、十分な食費の捻出

が挙げられますが、その外堀は確実に埋められてきています。

トレーニング環境については、部員たちによるトレーニング室の改修作業や器材の補填により、当面の間は問題なく最低限のことが出来る状態にまで改善されています。

※改善されたトレーニング環境については、こちらより確認できます。


(↑他大学に比べると、まだまだ厳しい環境ではありますが・・・)

そして、栄養面における知識については、昨年度に株式会社明治様のご厚意により、三重大学内において講習会を実施していただき、アスリートの身体づくりに必要な栄養素に関する講習を受講することで概ねクリアしました。

これらの改善によって、選手たちのトレーニングに対するモチベーションや食事に対する意識は向上し、去年の今頃から4月頃までは、着実に成果を伸ばしていきました。

しかし、4月に入って授業が始まり、さらに春季の公式戦に向けて練習が本格的になるにつれて、選手たちは栄養面における自己管理に手が届かなくなっていきます。

これは選手の取り組み方次第でなんとかなるのでは?

と、思われた方が見えるかもしれませんが、

朝起きて1日の準備を行い、その後、夕方頃まで講義を受けて、それから練習に参加する。オフの日は、課題やスカウティング作業があり、休日にはそれと並行して生活費捻出のためにアルバイトに励む等々・・・・

この様なマルチタスクの状況下で、更に自主的に「毎回の食事に気を配りつつ、ウエイトトレーニングに励む」のは酷なことです。

マルチタスクを排除するとどうなる?

その様な選手に対して、トップアスリートたちの取り組みを見て学べと檄を飛ばす方(かつての私もそうでした)がいますが、野球で言うならばイチロー選手があそこまで愚直にプロ野球選手として技術の研鑽に励む事が出来るのは、ただひたすら野球だけに打ち込める環境下に身を置いているからです。

 

このような恵まれた環境下においてさえ、イチロー選手は、努力を継続する事に対して、並々ならぬ苦労を重ねています。

卑近な例え話になりますが、もしも、トレーニングを終えたイチロー選手が、今日は夜勤だと、アルバイトに繰り出すような生活を送っていたら、どれだけ強靭なメンタルを備えていたとしても、あそこまで徹底した自己管理は達成されないのではないでしょうか。

そして、学生たちがトップアスリートの取り組みを学ぶということは、フットボールに専念するという事を意味します。

これは、つまりフットボール以外のものを犠牲にする事であり、学業を疎かにする事に繋がります。ひどい場合には、アルバイトを犠牲にする可能性もあります。

アルバイト以外で金銭を獲得する手段として、奨学金制度を利用して生計を立てる方法がありますが、これは将来の負債(=借金)を抱えることになります。

学生スポーツにおいて、少なくとも今の三重大学に対して勝利至上主義を持ち込むべきではないと考える理由の1つがここにあります。

フットボールに人生を捧げるつもりで大学に入学したのであればそれで良いですし、学生たちが試合に勝つためにひたむきに努力することは、否定されるものではありません。

しかし、指導者が過度にそれを求めてはいけないと私は考えます。

絶対的勝利を求めるということは、上記の通り、時には学生たちの学問を犠牲にし、奨学金という名の借金に手を伸ばす事を勧める事にも繋がります。たとえ、指導者にそのような意図がなかったとしてもです。これは、大学卒業後の生活において大きなリスクを背負うことに他なりません。

話が逸れて来たので、結論に移っていきます。

フィジカルの強化を達成するためには

チームの課題であるフィジカルの強化を達成するためには、

5月以降における食事環境の整備に着手すること

が重要です。

選手たちが出来る改善策としては、食費が必要であればアルバイトをして稼ぐ、もしくは食費を節約しつつ栄養価を維持・向上するために外食を控え自炊する事が挙げられます。しかし、アルバイトするにせよ自炊するにせよ、それなりの時間を要しますし、既にこのレベルの努力を行っている選手はそれなりに存在しています。

一方、指導者として可能な改善策として今すぐに出来ることは、三重大学アメフト部出身の方々もしくは、現役選手、スタッフの家族の方々に広く支援を募ることが挙げられます。これにつきましては、適切なタイミングを見計らい、私の方から依頼させていただきますので、可能な範囲でのご協力をよろしくお願いします。

そして、さらに私は、三重大学アメフト部のファンを増やすことによって、これらの問題を解決する仕組みを構想しておりますが、これについては、次回の記事においてお伝えさせていただきます。

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