高校教育の現場より:6月が過酷な4つの理由
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1学期の後半戦である6月。後ひと月頑張れば7月、そして夏季休業というところですが、この時期は何かと精神的なプレッシャーを感じやすい時期でもあります。個人的には、年間を通して6月と11月と2月の勤務が精神的な辛さや疲労感を覚えやすい時期になるのですが、今回は6月の勤務が過酷な理由を4つ挙げてみました。この時期は、自分だけではなく、周囲の同僚や生徒たちにとってもつらい時期であることを理解しておくだけでも、不要なトラブルを防ぐことができるので、もしよければ参考にしてください。

6月が過酷な4つの理由

1.蓄積する脳疲労

勤労者の労働内容が「身体を動かす」ことから「頭を働かせる」ことにシフトした現代社会において、疲労を生じる部位が「肉体」から「脳」へと大きく変質しています。脳の疲労は仕事だけにとどまらず、車の運転、テレビやコンピュータなどのゲーム、はては携帯電話まで、脳が疲れやすい生活上の変化がいたる所で起こっています。

仕事だけに限定すると、脳がストレスを受けて、集中力や判断力が低下すれば、業務に支障をきたす結果になります。この状態が「脳疲労」です。「脳疲労」はうつ病に至る前段階の状態で、症状が進行するにつれて、「脳疲労」➝「脳不調」➝「うつ病」へと発展していきます。

脳疲労について、詳しくはこちらの書籍を参考にしてください。

身体に感じる疲労であれば、1日から数日程度、十分な休養を確保すれば解消されますが、脳疲労に関してはそうはいきません。それだけでなく、頭脳を酷使することによって、脳内が覚醒状態に入り続けているために、睡眠の質が低下してしまいます。そのため、心身の疲労が回復せずに脳の働きがペースダウンしてしまいます。

私自身も「どれだけ睡眠しても疲れがとれない」、「朝起きるのが億劫になる」ことが度々ありますが、1学期の中盤になってくると、脳疲労が解消されることなく、日々蓄積された慢性的に脳疲労状態に陥ってしまいます。このような状態になってしまうと、休日に休養をとったところで根本的な疲労回復に至らないので、いつにも増して週明けに出勤することが辛く感じられます。

2.季節の変わり目と梅雨入り

6月は脳疲労が蓄積された状態にあることをお伝えしましたが、さらに季節的な要因が心身の疲労に拍車をかけます。季節の変わり目や雨が降る前になると「頭痛」や「めまい」などの身体の不調を訴えやすくなります。これは「気象病」とか「天気病」と言われる症状で、寒暖差や気圧差で交感神経と副交感神経のバランスが乱れやすくなることで起こります。この季節的な要因が、蓄積された脳疲労を加速させ、日々の生活の辛さを増す原因となります。

3.不快な教室空間

辛いのは教員だけではなく、生徒たちについても同様です。高校に入学したての1年生が生徒指導上のトラブルを引き起こし始めるのがこの時期で、クラス担任をしていると、突然の生徒対応に追われ疲労困憊することがあります。それだけでなく、春の過ごしやすい気候から、じめっとした蒸し暑い気候に変化することで、不快な教室空間に留まることを余儀なくされた生徒たちの生活態度は乱れやすくなっています。生徒たちの生活態度が乱れてくるということは、それだけ教員が指導する場面が増えることにもつながるので、この時期の教員の精神的な負担感は増していきます。

4.祝日がない

6月に祝日がないことも過酷な理由の1つに挙げられます。1~3で教師、生徒ともに疲労感が蓄積された状態であることをお伝えしましたが、その疲労を取り除くための休日が最も少ないのが6月です。この時期に体育祭などの大きな学校行事を催しているところがありますが、学校によっては行事が全く存在しないところもあり、祝日がないことに加え、単調な学校生活が続いてしまうことが日々の生活のモチベーションを下げる要因となります。

以上の1学期の後半に差し掛かる6月が過酷な理由をあげましたが、このように「精神的に疲労しやすい状態にある」もしくは「精神疲労が蓄積している状態である」ことを自覚していないと、対人関係において大きな亀裂を生じる羽目になったりもします。生徒指導のつもりであっても、ついつい生徒をストレスのはけ口にしてしまい行き過ぎた指導をしてしまうと、それだけで生徒との信頼関係が崩れてしまいます。生徒との関係だけでなく、対教師関係においても雑な対応をしてしまったり、逆にそっけない対応をされてしまい気分を害することがあります。

6月はみんなが疲れを感じやすい時期です。自分自身の感情の乱れを察知するとともに、同僚や生徒も何かしらのストレスを抱えているものと捉えることで、不要なトラブルを未然に防ぐことができます。とは言っても、なかなか過酷な6月。頑張らないといけないという使命感を感じることがあるかもしれませんが、この時期は「やるべきことだけやる!」ことに専念して、いつもより早く仕事を切り上げて、心身の休息により多くの時間を捧げられるように自身の身体を大切にしてください。

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