従来型授業の限界と新たな可能性の萌芽
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従来型の授業を続けるということは、
このようなYouTuberと勝負している
ということを受験科目を教える先生は自覚しないといけません。
 

はっきり言って、私では同じ土俵で勝負したら勝てません。

このような現実から目を背けていると、知らず知らずの内に

生徒から見切りをつけられてしまいます。

東大出身という学歴フィルターはもとより、

大学時代の大半をアメリカンフットボールに費やした私とは、

物理に関する知識量は天と地ほどの差があります。

確かにこの講義をそのままコピーして、

実際に授業を行うことは出来ます。

しかし、学校で生徒に授業を行う場合と動画で生徒が学習する場合、

前者が不利であることを理解しておく必要があります。

従来型の授業が動画授業に勝てない理由

その理由は大きく2つあります。

まず1つ目は、無駄な間がないこと。

先ほど紹介した動画を見て頂けると分かりますが、

板書のシーンは早送りされており、

黒板を消してから次の板書に移るまでのシーンはカットされています。

その他、講義中における不要な間はカットされています。

電子黒板などを利用すれば、この問題にはある程度対処できますが、

この無駄な間を、学校の教室で完全に省くのは困難です。

また授業者の体調によってもその時の授業の良し悪しは変化するので、

動画配信のように常に等質の授業が行えないという

デメリットもあります。

2つ目に、動画を見ている生徒には、
すでに学習に向かうという姿勢が出来上がっています。

日常で繰り広げられる授業では、生徒の心身のコンディションによって、

その時間の授業に対する取り組み方が変化します。

例えば、朝から体調が悪かったり、

昼食後の眠気に襲われやすい授業であったり、

体育の授業後で肉体的に疲れ切っていたり、

家族と喧嘩して機嫌が悪かったり、

異性と別れて落ち込んでいたり等々、

目の前にいる40名それぞれの事情を抱えた生徒に対して、

教師は授業を行わないといけません。

生徒のモチベーションが低い時に、

1つ1つの論理を積み重ねていって

1つの結論を導くような授業を行えば、

途中の論理を1つ聞き逃してしまい、

最終的な結論に到達できないということが

往々にして発生してしまいます。

物理を教えていた経験があるものとして、

気体分子運動論は1つの結論に導くために、

高校生にとっては高度な知識を1つ1つ積み重ねていく必要があり、

クラスの生徒全員に対して知識の定着を図るのが非常に困難です。

しかし、動画であれば、仮に1つの論理を聞き逃してしまったとしても、

常に巻き戻すことが出来ます。

また、授業のペースが速かったり遅ければ、

再生速度を自分で調節できるので、

ストレスなく講義を視聴できます。

従来の授業においても授業のペースを早くしたり、

授業についていけない生徒に対して同じ説明を繰り返すことは可能ですが、

個々の生徒によって求める早さや説明回数は異なってくるので、

同時に全員の要求を満たすことは不可能です。

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これは新たな可能性の萌芽である

40名の生徒を前に、この動画と同じように
講義形式の授業を行っている先生にとっては、
やや絶望的な記事になってしまいましたが、悲観する必要はありません。
正直な話、ここ最近まで、私自身が学校で授業を行うことが
無駄なのではないかと教職を辞することも視野に入れて真剣に悩みました。
そのような葛藤の中、逆にこのような類の動画を授業に組み込むことで、
今までの授業を改革出来る可能性が見えてきました。
これについては、来年度の授業において計画し、
試験的に実践していく予定ですので、
次回は、新たな授業実践の手ごたえなどについてお伝えできればと思います。

◎授業の基本的な技術や授業についての記事は、

こちらを参照ください。

◎教育に関するテーマはこちらからどうぞ。

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