高校教育の現場より:「タブレット自費購入」について思うこと
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2021年4月18日の京都新聞より

タブレット自費購入「怒りしかない」 公立高校でなぜ保護者負担?

これについて様々な意見はありますが、現場ではたらく1教師として、とりあえず

教師を1人減らせば、3万円のタブレットを200人分無償(県税)で配布できます。

と、意見させてもらいます。

三重県だと30代の教員の人件費が年間大体600万円程度です。このような意見に対して、

学校現場はとても忙しいから、これ以上教員の数は減らせないのでは??

という意見が当然出てくると思います。

確かに学校現場は非常に厳しいです。しかし、それはあくまでも小中の話です。小学校や中学校においては、授業することに加えて、生活習慣や社会性を身に着けることが必須であり、中学校現場においてはクラブ指導の負担が重なってきます。

高校に関しては、厳しい言い方をすれば、

教師が1人2人減ったくらいで、学校運営は破綻することはありません。

 

この先生がいなくなってしまったら困る!

そんな先生がいることも確かですが、校務分掌やクラブ活動で重要な働きをしているわけでもなく、かと言って授業準備に時間を割いているわけでもない、いわば学校組織にいるだけの先生が、規模にもよりますが大体どこの学校においても1人や2人くらいはいます。

それに加えて、高校の授業であれば座学の授業をわざわざ教師が行う必要もなく、動画を視聴すれば事足ります。特に大学進学のための授業内容であれば、地方の高校教師よりも動画コンテンツの方が情報のクオリティは高いのが現実です。

そもそも教育内容が根本的に戦後のものと変わっておらず、ゼロベースで一度必要教科の精選を図るべきです。

日に日に国力が衰退していく日本においては、教育の力でより良い国を作り上げていかなければならない!

と私は切に思っておりますが、現実はそのような方向に日本の教育が変革することはないでしょう。

少なくとも数年単位では…。

三重県においても、来年度の入学生から自費でPCやタブレットを購入する予定になっていますが、そもそも平均年齢50歳前後の学校において、そのようなICT機器を有効に活用した授業が展開できるわけがない。

コロナ禍において、オンライン授業が徹底できなかったことがこのことを証明してしまいました。

残念ながらそれが現場の現実です。

おそらく教員の半数程度は、従来通りの授業を展開する。
それは、やがて生徒の疑問になって、保護者の耳に入る。
そして、それが学校へのクレームとなる。
適切に対応できない学校はクレームを有耶無耶にするしかなく、
保護者にあきれられて物も言えなくなった状態を
「問題が収まった!」とあたかも問題解決したように錯覚する。

こうして、世間の風当たりは、この先より一層厳しくなることでしょう。

学校現場だけでなく教育委員会、果ては文部科学省が問題解決に動いたとしても、腐っても教師は地方公務員の端くれです。民間企業でも簡単に切れない首をピンポイントで切ることは出来ないでしょう。

自分自身の身分が脅かされることがないから、好きなだけ自己主張ができる。一見、民主的で健全な組織のように見えますが、実態は足の引っ張り合いと個人への忖度による妥協の連続。これでは本来の受益者(生徒)に利益(付加価値)が与えられません。

そもそも高校教育は義務教育ではありません。もしも学校教育に不満があれば、

子どもを学校に行かせない!

もしくは

本人が学校に行かない!

という決断をしてもいいでしょう。私はこの先、より多くの家庭においてシビアな決断が求められる時代がやってくると考えています。これまで学校教育について厳しい意見を並べてきましたが、この問題については、高校進学を決定した家庭の問題でもあり、一方的に学校現場に押し付けられるものではありません。

私自身、不甲斐なくも学校現場で生徒たちに授業をしても、

この環境では、生徒たちの将来を支えるスキルが伝達できない!

そのように確信してしまったので、学校現場を去ることを決意しました。

学校現場が遅々として変わらない変われないのは、今後健全な日本社会を形成する上で死活問題です。

しかし、ICTを活用した授業展開は困難を極めます。

なぜなら高校教育におけるICTツールは、教師に授業をさせないためのものだから。

教師の存在を前提とした議論では、高校教育改革が進むことはないでしょう。

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