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はじめに

電池の仕組みは化学の授業で学習します。頭で理解することも大切ですが、実際に分解してみて、各部品や材料の役割を直接確認した方が、印象にも残りやすく効果的です。

1888年、ドイツのガスナーが、電解液でんかいえきを石膏せっこうでかため、持ち歩いても中の液体がこぼれない電池を発明しました。それまで使われていた、液体がこぼれやすい電池に対して「乾いた電池」=乾電池と呼ばれ、この発明によって電池が使いやすくなり広く世の中に行きわたるきっかけになりました。

マンガン乾電池を分解してみる!

今回の実習の流れは、上の動画を参考にしてください。

準備物()内は20セットの必要数
・マンガン乾電池1個(20個) ・ペンチ1本(20本) カッター1本(20本もしくは10本)・薬品さじ1本(20本) ・金タワシ1個(20個) ・ゴム手袋1組(10組) ・紙コップ2個(4個) ・万能ばさみ1本

※1:マンガン乾電池は100均で3個入り(単一)のものがあります。ペンチ、カッター、金タワシも100均で購入します。
※2:ゴム手袋、紙コップ、万能ばさみはホームセンターで適当なものを選びます。

万能ばさみはこんなやつです。これがあると、薄い金属であれば大抵のものが切断できます。今日の実習の後半で、亜鉛を切断するときに使用します。

※3:薬品さじはケニスで購入します。金属製のものだと腐食してしまうので、プラスチック製のものを揃えてください。

■その他:あると便利なもの

・延長コード ・iPhone専用の三脚 ・家庭用コンセント/USB電源 変換用コンパクトアダプター ・ワイヤレスHDMIアダプター

※4:延長コード、iPhone専用の三脚、家庭用コンセント/USB電源 変換用コンパクトアダプターはホームセンターで適当なものを選びます。
※5:三脚は、実験手順の説明するときにカメラを固定するためのもので、今回の実験ではあると便利ですが、なくても構いません。
※6:ワイヤレスHDMIアダプターはこちらの商品を利用しています。

上記の物品を事前準備までに揃えておきます。

 

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事前準備

ケースの中に、マンガン乾電池2個、ペンチ2本、カッターナイフ2本、金たわし2個、ゴム手袋1組、紙コップ4個を入れます。
これを4人掛けのテーブルに1セット準備して、2人1組で取り組める状態にします。これを合計b10セット揃えます。

 

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授業展開

今回は分解することが目的になるので、図でマンガン乾電池の構造を示した上で、そのうち「炭素棒」、「亜鉛」、「二酸化マンガン」を取り出すことを強調して実習に移る。

実習

1.金属ジャケットを取り外す

金属のつなぎ目の上端部分をペンチで挟み、金属をめくります。まず、電池の側面を注意深く観察して、金属ジャケットのつなぎ目を探します。

つなぎ目の上端部分をペンチで挟み、金属をめくります。

金属をめくれたら、後はペンチをくるくると回転させると、上端部分だけ綺麗に金属がはがれていきます。ぐるっと1周して、金属の上端部分をはがせたら、電池の底(マイナス極)を押し込みます。するとスルッと金属ジャケットが取り外せます。

2.絶縁チューブを取り外す

次に、電池全体を包んでいるブルーの絶縁チューブを取り外します。電池の上側にある黒い溝よりも下の方にカッターの刃を当てて、ぐるっと1周、絶縁チューブを切断します。切断したらマイナス極側から引っ張ると、スルッと絶縁チューブが外れます。

3.プラス極端子、炭素棒、ガスケットを分解

絶縁チューブのプラス極側を取り外すと、プラス極端子、炭素棒、ガスケットが一緒に外れるので、バラバラにしておきます。

4.セパレータの上部を取り外す

電池のプラス極側に紙製のセパレーターがあるので、これをペンチでつまんで取り外します。中には、炭素粉末と二酸化マンガンの混合物が潜んでいるので注意してください。この黒い物体は手や服につくとなかなか落ちないので、出来るだけ触れないように注意します。

5.二酸化マンガンを取り出す

薬品さじをつかって黒い物体(二酸化マンガン)を取り出します。次の工程で亜鉛を切断して切りそろえないといけないので、出来るだけ綺麗に取り出します。

6.亜鉛を切断して切りそろえる

残った筒状の金属が亜鉛で出来ています。この亜鉛を他の実験で活用できるように、プレート上に切断しておきます。この工程は、手が汚れやすいのと慣れていないと手を切ってしまう危険性があるので、生徒にはやらせずにまとめて教員(私)が行うようにしています。

上の写真は、新しい電池(左)と古い電池(右)です。古い方の電池は、表面が酸化してしまって白色に変色しています。10年くらい実験室に放置されてたものを分解してみたらこんな状態になっていました。

7.亜鉛を金たわしで磨く

切断した亜鉛は、金たわしで磨いて回収します。

今回、取り出した炭素棒と二酸化マンガン、亜鉛は、次回の実験では電池として作用することを確認するために利用します。

それ以外にも、二酸化マンガンと亜鉛は、水素と酸素を発生させる実験を行う時に活用して、極力資源を無駄にしないように努めます。

後片付け

マンガン乾電池を分解するための準備は簡単ですが、片付けは少し手間がかかります。

金属ジャケットやプラス極端子は、金属ごみとしてまとめて処分、亜鉛や二酸化マンガンが混ざった金属片は、まとめて不燃ごみとして処分します。ガスケットや絶縁チューブは、プラスチックごみもしくは可燃ごみとして処分します。

後、実験を行ったときに、床などに飛び散った黒鉛粉末入りの二酸化マンガンは、雑巾でよく拭き取らないといけないので厄介です。少量こぼすだけでも、実験中に生徒が実験室内を歩き回るだけで、床一面に黒ずみが広がってしまいます。これは最後に全員できれいにしたいところですが、この段階で授業時間終了間際なので、次の時間に持ち越すか、授業後に残って掃除をするかいずれかの方法しかありません。(あらかじめ、床に一面に紙を敷いておけばいいのかもしれませんが、それはそれで手間がかかります。)

ペンチの表面に付着した二酸化マンガンもよく洗い流してください。二酸化マンガンには炭素の粉末の他に、電解液として塩化アンモニウムがしみ込ませてあります。この塩化アンモニウムが金属を腐食させるので、面倒くさがって後片付けを後回しにすると、一瞬でさびてしまいます。

 

 

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