何やら、教員免許更新制を導入したことが仇になっているような記事を目にしたので、改めて教員免許更新制の導入意義について確認してみることにしました。
教員免許更新については、文部科学省のHPに掲載されています。
恥ずかしながら、初めて文部科学省のHPに目を通しましたが、何というか矛盾だらけ。これが国の教育をとりまとめる組織のトップが考えることなのかと、危機感すら覚えてしまいました。
今回は、3.教員免許更新制の導入-恒常的に変化する教員として必要な資質能力の確実な保証-(1)導入の基本的な考え方 の文面から順番に、
個人的におかしいと思うところを具体的に指摘していきます。
以下、教育公務員特例法 抜粋
ちなみに都道府県によっては、別途5年研修、15年研修、20年研修と一定の経験年数が経過すると研修が実施されています。
三重県では、「初任者研修」「教職経験者研修(教職2~3年次・教職6年次・教職経. 験 11 年次)」が経験年数に応じて実施されます。
恒常的に変化する教員として必要な資質能力を担保する制度は,上記の研修内容を拡充および刷新することで対応すれば良かったのではないでしょうか。
2つ目:教員免許状に一定の有効期限を付し、その時々で求められる教員として必要な資質能力が確実に保持されるよう、必要な刷新(リニューアル)を行うことが必要であり、このため、教員免許更新制を導入することが必要である。
3つ目:更新制の導入により、我が国全体における公教育の改善・充実が期待でき、公教育に対する保護者や国民の信頼が確立する。
4つ目:更新制は、いわゆる不適格教員の排除を直接の目的とするものではなく、教員が、社会構造の急激な変化等に対応して、更新後の10年間を保証された状態で、自信と誇りを持って教壇に立ち、社会の尊敬と信頼を得ていくという前向きな制度である。
5つ目:更新制を導入し、専門性の向上や適格性の確保に関わる他の教員政策と一体的に推進することは、教員全体の資質能力の向上に寄与するとともに、教員に対する信頼を確立する上で、大きな意義を有する。
かなり序盤の段階で、教員免許更新制は無駄であるという結論に達してしまいました。
ちなみに日本全国には、小中高の教員数は100万人にも及びます。教員免許更新講習の受講料は3万円程度(自腹)です。
そしてそのお金は、更新講習を実施する大学へと流れることになります。
これだけの金額を講習担当者への人件費として消費するのであれば、10年経験者研修を充実させる為の費用であったり、課外活動の外部指導者のための人件費として消費した方が、実用的ではないでしょうか??いろいろと想像が膨らみます。
これでいいのか、日本の教育は??
教員免許更新制が導入されて早10年が経過し、現場で働くほとんど全ての教員の免許更新が実施され、2回目の更新へと突入する段階に入ってきました。この節目の段階で、文部科学省の偉いさんたちと有識者の方々で、教員免許更新制度は有効に機能しているのか冷静に吟味していただき、継続の可否を判断していただきたいものです。