はじめに
ここでは、東京書籍 改訂 科学と人間生活をベースに講義を進めていきます。
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第1章 材料とその再利用 ①金属 A.金属とは 教科書P58-59
今回は教科書P58~59の範囲を学習します。予め教科書の内容に目を通しておくと、効率よく学習が進められます。
☝本時の目標
1.化学的な専門用語と代表的な元素記号(1H-10Neと教科書に出てくる物質)を覚えよう。
2.単体・化合物・純物質・混合物のように「物質の分類」が出来るようになる。
3.金属の分類方法(軽金属と重金属、卑金属と貴金属)を理解しよう。
1.専門用語と元素記号の確認
長兄:ラオウ
それでは、講義を始めよう。今日は、教科書58~59ページの金属だ。
三男:ジャギ
これから兄じゃは、金属のことを教えてくれるのかい?
まぁ、慌てるな弟よ。その前に、確認したいことがある。
資料の①、②には、それぞれ「原子」と「元素」が入るのか。
地球上にある物質を細かく分解していくと、大体120種類の粒子に分類されることがわかっている。この1つ1つの粒子のことを「原子」という。
小さい粒のことを原子っていうのか。じゃあ、元素ってどういう意味なんだい?
そうなんだ。実は、原子と元素という言葉の意味はわかりにくい。実際、日常生活において、はっきりと言葉の意味を区別している人は、それほど多くない。だから、あまり気にしなくてもよい。原子と元素の使い分けについて、1つだけ具体例を示しておくが、参考程度に見てもらえばよいだろう。
☝原子と元素の言葉の使い分け
①水を電気分解すると、「水素」と「酸素」が発生する。
⇒「水素」と「酸素」は原子の意味
②水(H2O)は「水素(H)」と「酸素(O)」から出来ている。
⇒「水素」と「酸素」は元素の意味
【補足】
①厳密には、水素分子(H2), 酸素分子(O2)と表現した方がより正確です。実際に存在する粒子(ここでは「水素」と「酸素」)について述べる時は、原子の意味を示します。
②元素という言葉の意味は、物質を構成する基本的な成分 と表現されることがあります。②の文章で、「水は、水素と酸素が合体(⇐化合すると言います)してできた」と述べられています。したがって、ここから「水素」と「酸素」は、合体することで水に変化してしまい、実際に存在しない粒子 であることが文章から読みとれます。つまり、「水素」と「酸素」は水という物質を作る部品(=基本的成分)であると言っているわけです。
なんとなく理解できたような、できなかったような気がするなぁ。
うむ。実際、ここがわからなくても、この先の授業に支障はない。ここはさらっと流しておくがよかろう。大切なのはここからだ。
さっき原子は120種類くらいあると伝えたな。この120種類の原子は、元素記号というアルファベットで示された記号で表現することになっている。それぞれの原子には、特有の性質があるわけだが、その特徴を整理していくと、規則的に並べられることがわかっている。この規則性に従って並べた表を元素の周期表という。教科書の一番後ろのページを見るがいい。
おい、兄じゃ。俺たちは120個も原子の名前を覚えないといけないのかい?
その必要はない。重要な元素記号を少しずつ、覚えていけば良い。
今回は、原子番号1番~10番までを確認するのだ。
2.物質の分類
今、原子と元素について確認した。せっかくだから、ここで物質の分類方法について説明しよう。
まずは単体と化合物から説明しよう。言葉の意味は、説明の通りだが、もう少し具体的にいうと、1種類の元素記号だけで表現できる物質は、単体に分類される。
そうだ、この後、確認する金属も多くが単体に分類される。では、弟よ。化合物はどうだ。教科書(P58~59)の中から探してみるがいい。
おぉ、そうだ。酸化鉄は、鉄と酸素が結びついたものだ。日常生活では、鉄に酸素が結びつくことを、錆びるというが、このように「化学的」に「合体」した「物質」を化合物というのだ。教科書にあるものだと、酸化アルミニウムも化合物に分類される。
金属は、酸素や硫黄が強く結びついた化合物の状態で、地球上には存在している。
そうだ、鉱石は地中から掘り出されるから、不純物が混ざっている。このように、混ざり合った物質のことを混合物という。
混ざり合っているから、混合物かぁ。ところで、兄じゃ、化合物も2種類以上の原子が混ざり合っているのではないのか??
いいところに目をつけたなぁ。弟よ。その通りだ。しかし、化合物は「化学的な力で結びついている」のに対して、混合物は「ただ混ざり合っている」という違いがある。だから、一般的に混合物を分離することは、簡単だが、化合物を分解するのは難しい。
そうかー。物質同士の結びつき方に違いがあるんだぁ。
うむ。2種類以上の物質が混ざったものが混合物だが、他の物質が混ざっていない1種類だけの物質のことを純物質という。
そうだな。だが注意が必要だ。混ざったものから、混じりっけのないものに分離したものが純物質だ。だから、2種類以上の原子が化学的に結びついた酸化鉄は、純物質に分類されるからな。そこのところは、誤解のないようにな。
化学的に結びついたものは、簡単に分解できないからね。
3.金属の分類
さて、ここから、ようやく金属の話になるわけだが・・・
えぇ~っ、まだ続くのかよ兄者~。もうおいら疲れたぜぇ。
そうだなぁ、今日はかなり学習したな。今回は、最後に金属の分類だけ確認したら終わりにしよう。
私からは以上だ。諸君は、自分のペースに合わせて、この先の問題演習に進みたまえ!
それでは、皆の健闘を祈る!!
【発展学習】
もう少し詳しく学習したい人は、こちらの動画に進んでください。
問題演習(解答・解説)
教科書や講義の内容を参考に、資料の学習課題に取り組もう。
※教科書P59の「表1 さまざまな金属の特徴」を参照
※教科書P59右側注釈②「チタンの密度を基準に考えられた。」を参照
※チタンの密度以下であれば、「軽金属」、チタンの密度より大きければ「重金属」になります。密度の大小関係は、表の密度を参考にする。
※金や銀は代表的な貴金属で、空地中でも安定している(さびない)。残った、鉄と銅を比較した場合、さびやすいのは、「鉄」となります。
※問題の【考え方】を参考に分類する。酸素O、硫黄S、鉄Fe、チタンTiである。水の化学式はH2O
※教科書P60左側注釈を参照。
お疲れ様でした。
今回の学習は、ここまでです。
◎異なる単元の学習は、こちらのガイドを活用ください。