徹底攻略!大学入試物理 円運動の基礎③(遠心力について)
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遠心力について

■円運動に関する講義

遠心力という力について

さぁ、それでは、もう一つやっておかなければならないことがあります。

 

言葉は聞いたことがあろうかと思います。それが、遠心力についてですね。

 

え~何にしましょうか。遊園地にしましょうか。

遊園地というのは、限られた敷地の中で遊ぼうとするものですから、当然、グルグル回るものが多いんです。

 

そう言われれば多いねぇ。コーヒーカップとかグルグル回るものとか…

 

そういう乗り物とかがあったりしますねぇ。グルグルグルグル回っていますねぇ。

要は、限られた空間の中で何か乗り物に乗るってことは、ぐるっと回って帰ってくるものを作るというのが常でしょう。だから、遠心力とかを体感することが出来るのは、遊園地が非常に多いと思いますが、遠心力というのは私たちの生活の中に入り込んでいる言葉なんです。

そこが危険ですね。

 

私に言わせると、おっとっとの力なんですよ。

 

って言って分かりますか??

 

前回のテーマでやりましたねぇ。慣性力。

 

例えば、電車に乗ります。そこで電車が発進します。

そして急ブレーキをキキキ~っとかけた。するとどうなりますか??

 

おっとっとってなりますよねぇ。

 

それからガァ~って急に発信すると、おっとっとっとっとってなる。あれですよ。

 

そういう意味ですよ。慣性力の1つなんです。

 

だから、円運動の時には特別に遠心力と呼んでいるだけです。

 

 円運動する物体を眺める(慣性系)

では、今から円運動にまつわる力の関係式を見ていこうと思います。

 

まずですねぇ、さっきの例で行きましょう。

ロープの先に重りをつけてくるくるくるくる回してる。

それを天井の真上から見ている。

 

すると、円運動に見えますねぇ。

 

それでいきましょう。

その時に、ロープがあって、重りがある。ここが中心です。

速さv で回っている。

 

ちょっと変な絵になりますが、これが私です。観測者。

ボールがグルグルグルグル回っています。

 

この時、私にはこのボールがどう見えるか。

 

あいつ何でまっすぐに飛んでいかないんだろう。

 

それはロープに引っ張られて、円の中心方向に落ち込んでいるんです。

 

だから、こう見えるんだ。

 

ここで、ロープの張力をT、ボールの質量をmとします。

 

それから、私が見た時に、この物体の運動方程式はどうなるかを考えてみます。

 

質量mの物体に加速度aを生じさせたのは、糸の張力Tである。

これが運動方程式です。ただし、円運動です。加速度は、特別に r 分のv の2乗と書けます。

ただ、私が見た時に、

何で物体はまっすぐ行かないんだろう。

 

あぁ、糸の張力で引っ張られているからだな。

 

という見方が難しいかもしれないですね。

 

しかし、それは前回の講義の月の運動を勉強しておけば理解できることであります。

円運動しながら物体をみる(非慣性系) 

 

さぁ、それでは、ここに用意された図は何かという所です。

今度はひもに結ばれているのは私です。質量mとします。

私をひもの先につけて速さv でグルグル回すんです。

 

あまり想像したくないですけどね。

 

この時、さぁ、どうなる??

それはぁ…、私の首が締まりますねぇ。

ということは、どういうことですか?

 

糸の張力が観測できるという事ですね。

 

だから、糸の張力を観測しました。

糸の張力T

 

想像したらわかりますよねぇ…。

 

これ絶対、私の足は投げ出されますよねぇ。外側に!

 

こんな力を受けるんですよ。これが慣性力です。

いいですか。だから外側に投げ出されるんですよ。

 

 

えっ、何で!?

 

加速度運動するものの上に乗っかっているからですよ。

 

加速度運動するものの上に乗っかっているから。運動の法則を成立させるためには加速度の向きとは逆方向に慣性力を仮定しないといけない。

電車がガァ~っと加速度運動すると、その方向とは、逆向きにおっとっとっとってなりますねぇ。

おっとっとの方向にはたらく力、加速度とは逆向きにはたらく力が慣性力。

 

円運動は、円の中心方向にガァ~っと落ち込む運動でした。

 

今は私は、それに乗っかっているんですよ。

だから中心方向とは逆向きです。これが遠心力です。ma

 

遠心力はmaと書くことが出来ます。

 

これが慣性力の難しさなんです。実はねぇ…。

円運動は、眺める立場によって物理的意味が異なる!

遊園地の施設にひもでつながったブランコでグルグルグルグルこう回るのアトラクションがあります。

あれはブランコに乗っていることで、外側に受ける遠心力を楽しんでいると言えるんです。

 

ところが、「早く終わんねぇかな~」って、ベンチに座って息子が楽しむ姿を眺めているお父さんは遠心力感じません。

 

ただ座っているだけですよねぇ。

それが上図の左側の状態。そして、乗っかってるのが図の右側の状態。

だから、右側の人が慣性力を感じるんです。

 

しかし、ベンチに座っているお父さんは慣性力を感ることはありません。

以前のテーマでお伝えしましたねぇ。ベンチに座っているお父さんは、静止して眺めているから慣性系、ブランコに乗っている子どもは非慣性系

 

下の図で言うと、左側の人が慣性系で、右側の人が非慣性系。

 

 

右側の人は、円の中心方向に近づくでもなく円の中心方向から遠ざかるわけでもありません。ということは、この人にしてみれば、糸の張力Tと、慣性力maがつり合っているように見えるいうことです。

 

だから、力のつり合いから、糸の張力と遠心力がつり合っているようにみえます。ただし円運動です。加速度は、r 分のv 2乗です。

 

この両者は物理的に意味が違います。片方は運動方程式で、もう片方は力のつり合いです。しかし、起きてることは1つです。ロープの先に物体を括りつけてクルクル回しているだけです。だから、数学的には同じなんです。

 

図の左側の私が見ると、

何でまっすぐいかないで、くるくるくるくる回っているんだろう。

 

あぁ~、糸に引っ張られているからだぁ。

 

って見えるんです。だから、物体が円運動しているように見えるんです。

 

しかし、右側の私からしてみるとそうではないんです。近づく訳でもなく、遠ざかる訳でもない。

引っ張られる力と投げ出されようとする力がつり合って俺は動かないんだ!

 

という見方なんです。

すごいねぇ、物理ってよくできてるねぇ…

 

いやいや、よくできてるところだけを物理って言ってるんですよ。

 

とても綺麗に理屈がまとまっています。だから、「あれでもない!これでもない!」という議論はちゃんと終わっているところなんです。

 

 

だから、きちんと勉強しようというわけです。

 

こういうところも、「月が落ちてくる!」という事をちゃんとわかっていないと、区別がつかないんですねぇ。

まとめ

 

遠心力というのは私たちの生活の中に入り込んでいる言葉である

 

それが故に円運動と言うと、みんなすぐに

 

遠心力!、遠心力!

 

って言います。

 

すぐ遠心力へ行く。すぐに乗っかるんです。

 

次回以降の講義で万有引力について学習します。そこで人工衛星の運動を取り扱うのですが、人工衛星に真っ先に遠心力を書き込むんです。

 

人工衛星の中に遠心力を書き込む権利のある人って、日本では少ないですよねぇ。

 

どういう意味かわかります??

 

皆さん人工衛星に乗ったことはないですよね?

 

私も乗ったことありません。

 

乗った人にしか人工衛星に加わる遠心力はわからないですよ。

 

人工衛星に乗ったことがある人です。

だから例えば、若田光一さん。

人工衛星の中でプカプカプカプカ浮いていたじゃないですか。

 

 

何故ぷかぷか浮かんでいるのですか!?

 

若田さんには力がつり合っているからですよ。

 

 

ロープはついていないですよ。ロープでくるくる回しているわけではないですよ。

 

万有引力です。地球の中心が引っ張る力です。それが遠心力とつり合って、中でプカプカ浮かんでいるんですよ。

 

 

でも、地上からこの人工衛星を見ると、私たちにはどう見えるか。

 

何であの人工衛星、まっすぐにスゥ~ていかないんだろう…??

 

いやいや、行っちゃ困りますよねぇ。若田さん乗ってますから。

 

 

また、地球上に戻ってきてもらわないといけない。

 

行ってしまったら困るけど、何でいかないんだろう??

あぁ!! 地球が引っ張ってくれてるからか。

 

って見えるわけです。

 

観測者による測定できる力の違い。こういう所をちゃんとしないといけません。
慣性系:円の中心方向の力(向心力)が作用する(運動方程式)
非慣性系:中心方向に引っ張る力と遠心力がつり合う(力のつり合い)

 

受験生が入試問題にとりかかる時に、この遠心力を導入した解き方をすることが多いんです。

 

 

すぐに考えている物体の上に乗っかろうとします。

 

それは、乗っかっている人は、遠心力を実在の力として扱うということです。

 

ところがグルグルグルグル回る円運動をぺたんと潰すと、ばねに繋がれた物体の運動になるんです。

※等速円運動している物体を真横から眺めると単振動しているように見えます。

 

ばねが伸びたり縮んだりするような運動をしている時に、その物体の上に乗りますか?

 

それに乗ったらどうなるかわかりますねぇ…。

 

自分もばねみたいびよ~んびよ~んと上に行ったり下に行ったりしてしまいますよ!

 

 

そんなんじゃあ解けないですって…。

 

ばねでびよ~んびよ~んってなる時は、冷静に外から見ましょう。

 

そうしないと思うように問題は解けません。

 

ですから遠心力ばかりを導入して、とりあえずこれで解けるからもういいや~っていう人は、大抵ばね(単振動)が苦手です。

 

 

いや~力学はねぇ、ほとんど大丈夫なんですけど、ばねが入ると嫌なんですよねぇ。

 

という発言になる。

 

そういう人のほとんどは、円運動の問題で遠心力を使った解き方しか知らない…。

 

これがすべての原因であると言っても過言ではないでしょう。

 

もう1個くらい原因がありそうですが、それは、後の単振動のところでやることにしますが、まずはココをクリアしないといけません。

 

そして、最後に大事な事。片方が運動方程式で、片方が力のつり合い。

 

全然見え方が違うということ。

 

左側の人には、円の中心方向に、落ち込み、落ち込み、落ち込み続ける運動として見える!

 

しかし、

円運動する物体に乗っかっている右側の人にとっては落ち込んでません。しかし、遠ざかってもいません。すなわち、半径方向には何も運動していないものとして見える!

 

ということですね。

 

ここまで円運動について長々と説明をしてきましたが、速さ、加速度、それぞれの意味、それから力の関係式。これらを正確に理解して意味が説明できるようにしてください。

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