目次
6ポイントヒットの基本と応用
今回は、第1回目の6ポイントの実践方法について解説していきます。
0:00 5回の講義の意義 | 0:52 講義の目的と5回の講義内容 |
2:17 6Pointヒットの実践方法について | 3:38 6Pointヒットの注意点 |
4:18 発展動作について | 5:28 上半身の使い方を確認するドリル |
6:34 上半身の使い方によるヒット力の違いとまとめ |
↑時間をクリックすると、それぞれの項目に関する説明から確認できます。
■フォームシバーの確認
まず腕の形(フォームシバー)から確認します。
6ポイントヒットでは、手の甲、肘、肩でできる面をダミーに当てます。
肘の角度は、だいたい60°~90°くらいです。
ダミーを用いたヒットの練習では、基本的にフォームシバーでヒットすることになります。フォームシバーを使って、腕を振り上げる動作を行うと、ヒットした時に自然とブルネックの形が出来るので、傷害予防の観点からも、私はダミーを用いた練習を重要視しています。
■基本姿勢からヒットまでの動作確認
6ポイントヒットは四つん這いの姿勢から行います。
左右の手と膝、そしてつま先の計6カ所が地面と接触しているので6ポイントと言います。
ここからダミーにヒットするまでの動作を説明します。
さっき伝えた6ポイントの腕の形を意識して、手の甲はみぞおちからおへその横あたりに軽く触れる位置に持っていきます。膝を視点として下半身を伸縮させて前方向への推進力を起こします。
ヒットするときは、フォームシバーの面と地面が垂直の関係になるようにします。
注意点1
注意点2
身体が曲がる癖を矯正するときは、両手でフォームシバーを作ってヒットするように指導して下さい。両手を使って動作すると、左右のバランスの崩れに気付きやすくなります。
注意点3
フォームシバーの面と地面が垂直になり、面でダミーにヒットすると「バシッ」という音が鳴ります。指導しているときは、その音が正確に行えているかどうかの判断基準になります。
■発展動作について
ここからは上級者向けの発展動作について説明します。フットボール経験1年未満の選手には、却って混乱を招く可能性があるので、ここから先の内容を伝える必要はありません。
対人を交えたコンタクトの練習経験を積んで、一通りのヒットの技術を身に付けたら、今度はさらに強くヒットするための身体の使い方に意識を置きます。
そこで今回お伝えするのが、上半身の使い方です。
アメリカンフットボールにおいては、ファンダメンタルフットボールポジションを基本とした技術の習得が大切です。この姿勢から、2ポイントヒットを行ったり、オフェンスラインだったら、この姿勢を基本として、3ポイントの姿勢に切り替えてヒットすることになります。
今からお伝えする内容は、基本動作ができていることを前提としています。
ファンダメンタルフットボールポジションを基本として動作を行う場合、上半身の形に注目してもらいたいのですが、背中を反らせた姿勢のままヒットすることを意識します。安全面を考慮した場合、初心者に対してはまずこの動作を徹底させるべきですが、さらに強いヒットを意識する場合には、この部分を改善していく必要があります。
上半身の使い方の違いを確認するドリル
強くヒットする場合は、特に下半身の使い方に意識が向かいがちになりますが、上半身の使い方によってもヒット力を向上させることができます。ただ、ファンダメンタルフットボールポジションのように、背中を反らせた姿勢だと、上半身の力を活用することができません。
今から上半身の使い方の違いを確認するドリルを紹介します。
このドリルは、2人1組で行います。
まず実演者は、椅子の上に腰掛けます。そしてパートナーは、実演者の額を押さえます。
この状態から実演者は立ち上がってみて下さい。
背中を反らせた状態だと、上半身の力が使えず、なかなか立ち上がることができません。
そこで、今度は上半身を反らせずに力を抜いた状態から行います。
今から、深呼吸を行ったときに息を吐き終えた後の状態から、大きく息を吸い込んで背筋を伸ばす動作を入れていきます。
大きく息を吸い込んで背筋を伸ばす動作を入れていきます。
座った状態だと、このようになります。
この時に、自分の身体の頭の先端から上に引っ張られる感覚に意識を置いてみて下さい。これを使って、さっきの立ち上がる動作を行ってみます。
このように、背骨を伸ばす意識を入れるだけで動作に違いが生まれます。
この動作を6ポイントヒットに応用します。
外から見ているだけだと、違いはわかりませんが、実際にやって体感してみると、その違いがわかります。
このわずかな違いが、これからお伝えする2ポイントヒットや3ポイントヒットを行う時のヒット力に、大きな差をもたらします。
基本的な練習というと、単調な練習の繰り返しであり、どうしてもマンネリ化しやすい部分がありますが、こうして動作の本質を極めていくと、自分自身を上達させるためのヒントに遭遇することがありますので、練習に取り組む選手は常に向上心を持って励んで下さい。