■さびができるしくみ|科学と人間生活(物質の化学)No.5
スポンサーリンク

はじめに

ここでは、東京書籍 改訂 科学と人間生活をベースに講義を進めていきます。

資料のダウンロードはこちらからお願いします。

授業資料にある問題の解答はこちらを確認してください。

※画面をタップすると答えが順番に表示されます。

第1章 材料とその再利用 ①金属 D:さびができるしくみとその予防  教科書P64-65

今回は教科書P64~65の範囲を学習します。予め教科書の内容に目を通しておくと、効率よく学習が進められます。

☝本時の目標

1.化学的に「金属がさびる」とは、どういうことか理解しよう。
2.金属のさびを防ぐ方法を確認しよう。

1.化学的に「金属がさびる」とは?

長兄:ラオウ
それでは、講義を始めよう。今回は、教科書64~65ページ、さびができるしくみとその予防について解説しよう。

三男:ジャギ
了解だぜ。兄者。それで今日は、どんなことを教えてくれるんだい?

実はなぁ、弟よ。この長兄ラオウから、金属について、おぬしに教えることは、もはやない。

えっ!?どういうこと。

今まで、金属の分類方法から製法まで、幅広く学習してきたな。今回は、その総決算として、これまで学習してきたことを振り返っていきたいのだ。

そっか。復習するってことだな。え~と、この章では、金属の元素記号とか覚えてから、金属の分類について学習して・・・

そうだったなぁ。金属には、金や銀などのさびにくい「貴金属」と、鉄などのように空気中で簡単にさびてしまう「卑金属」という分類方法を確認したなぁ。

「さびる」ってのは、金属が酸素と結びついて酸化されるってことだろ。

そうだなぁ。しかし、厳密に言うと、化学的に「さびる」ということは、金属が酸素と反応する以外に、水と反応したり、電子を失って陽イオンに変化して、酸化物や水酸化物、塩(えん)などの化合物をつくることを意味する。

おい!兄者。復習って言っておきながら、何か難しい言葉が出てきたじゃねぇか。

まぁ、落ち着け。弟よ! ここでは、金属について振り返るだけだから、難しい言い回しには、それほど気を止める必要はない。陽イオンについては、中学校で学習しただろ。もう一度、確認したければ、こちらの動画を視聴すればよい。

あぁ、イオンのことは学習したけどよぉ。酸化物とか水酸化物、塩(えん)って、突然言われてもなぁ・・・。

酸化物は、「酸」素と「化」学的に結合(化合)した「物」質。水酸化物は、「水」に「酸化」された「物」質くらいの意味合いで理解しておけばよい。

文字通りに解釈すれば良いわけだな!? じゃあ、「塩」ってのは、何なんだよ。塩(しお)じゃダメなのかよ。

塩(えん)とは、イオン同士がくっついた物質であると、今は簡単に理解しておけばよい。ちなみに、塩(しお)は、化学的には塩化ナトリウム[NaCl]と言って、ナトリウムイオンと塩化物イオンが結合しているから、塩(しお)も塩(えん)の中に含まれる物質だ。

お~い。何だか、頭がこんがらがってきたぞ!とりあえず、イオン同士がくっついたのが塩(えん)と思っておけばいいんだな!?

そうだ。詳しいことを知りたければ、化学の道に進み基礎から学べばよいだろう。

うぅ~。学問の道は、奥が深いぜ! 了解したよ。兄者。
スポンサーリンク

2.さびを防ぐ方法

さて、それでは話を進めよう。今の話の通り、金属はさびる。さびてしまうと、金属が持つ本来の性質が失われてしまう。

金属光沢がなくなったり、電気を通さなくなったりするってことだな。

そうだ。だから、金属をさびから守るための方法についても学習してきた。

合金にするんだったなぁ。

そうだな。まずは合金にする方法があったなぁ。他にどういう方法があったか覚えているか??

え~っ、そんなの勉強したかぁ??う~ん・・・。あっ、黒さびだ。

よく覚えていたなぁ。鉄のさび(酸化鉄)には、赤さびと黒さびがあるという話をしたな。黒さびは、赤さびの発生を食い止めてくれるから、鉄をわざと黒さびで酸化させて、表面を黒さびの膜で保護する方法がある。

そういえば、アルミニウムから出来ている1円玉は、表面が酸化アルミニウムで保護されているんだったよな。

そうだ。アルミニウムは、金属の中でも、反応性が大きくさびやすいのだが、表面が酸化アルミニウムの膜で保護されているから、軽くて丈夫な性質が保たれている。ちなみに、この処理のことを「アルマイト加工」という。

そうか~・・・。合金にする以外に、表面を膜で包みこんで、金属を守っているんだぁ。

金属を守る方法としては、他には、ペンキなどの塗料を塗ったり、金や銀などのさびにくい金属で表面を包みこむ方法がある。

俺知っているぞ。金とか銀で、金属を守る方法を「めっき」っていうんだろ?

その通りだ。ちなみに金属をめっきさせる為には、電気分解を利用したり、蒸発させた金属を表面に付着(蒸着)させたりするのだ。

電気分解の方法は、銅の電解精錬のところで、見たやつだなぁ。

原理としては、同じだな。今回は、それに加えて、銅に亜鉛をめっきして、さらに加熱してから金色の黄銅にする様子をお届けしよう。

日常生活で俺たちが利用する金属は、こうして出来ているんだね。

うむ。
スポンサーリンク

問題演習(解答・解説)

教科書や講義の内容を参考に、資料の学習課題に取り組もう。

①:金属元素と非金属元素の数は同じではありません。周期表に掲載された元素を金属元素と非金属元素に分類すると以下のようになります。

③上の図より、金属元素と非金属元素が交互に現れるのは誤りであることがわかる。

④塩素の他にも、水素、酸素や窒素など多く存在する。

※②の「水銀は常温・常圧において唯一液体状態の金属である。」ことは、教科書には掲載されておりませんが、金属にまつわる知識として覚えておきましょう。

No.2の講義を参照

No.4の講義を参照

No.4の講義を参照

※ジュラルミンは、アルミニウムと銅、マグネシウム、マンガンの合金です。また、1円硬貨の原料はアルミニウムのみであり、ジュラルミン(合金)ではありません。

 

お疲れ様でした。

今回の学習は、ここまでです。

◎異なる単元の学習は、こちらのガイドを活用ください。

 

 

スポンサーリンク

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事