高校教育の現場より:GIGAスクール構想への道のり⑧
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3年生の化学基礎の授業で、スプレッドシートのフィルタ機能の確認を行いました。

ほんの数日前まで、スプレッドシートでは、数式計算することしか頭の中にはなくて、

数式計算なら、資産形成とか投資の話が中心になるので、就職試験が終わってからでもいいかなぁ…

と思っていたのですが、来週提出となる進路希望調査の作成に向けて、スプレッドシートが利用できると思い立ち、急遽、本日の授業で実施することにしました。

進路希望調査というのは、7月の就職調整会議に向けて、予め生徒の希望する企業を把握するために、4月末に第1回、6月に第2回と実施されるものです。そして、今回が第2回目となります。

生徒たちは、昨年の求人リストの中から、今年も企業から求人がもらえる想定で、何社か希望を挙げることになるのですが、

(昨年実績で)1302社の中から5社まで絞りなさい!

と言われても、職業経験がほとんどない生徒がそう易々と選べるはずがありません。

個人的には、

高校の授業は半日だけの全てを実習授業だけする。これによって、残った時間を課外活動や職業体験と称したアルバイトを行う時間にするべき。

そうすれば、多少なりとも進路決定に役立つのではないか!?

と思っているのですが、未だに本校ではアルバイトは原則禁止。

アルバイトを容易く許可してしまうと、バイト三昧になってしまって、学業に身が入らなくなる!

という理屈はわかりますが、それならば、

学校で受ける授業内容を充実させるべきだ!

と思いますし、

衰退する日本社会においては、在学中であっても余力があればお金を貯めておいた方が、進学のための学費や老後資産形成のための資金になるので社会経験させてあげた方がいいのではないか⁇

と常々思っています。

しかし、そのようなことをあれこれ思っても学校組織が変わるわけではないので、学校のルールに則って企業選択をせざるを得ません。

そこで、少しでも企業選びを効率化するためにふと思いついたのがスプレッドシートのフィルタ機能です。

フィルタ機能を使えば、昨年度の求人データから、県外に就職を希望する生徒であれば、県外の企業、県内の特定の市町への就職を希望する生徒であれば、そこだけの企業リストを一覧表示できるので、企業選択がよりスムーズになります。

さらに共有したデータは、スプレッドシートのアプリを利用すれば携帯電話からも閲覧出来るので、自宅で家族と一緒に協議する際にも活用できます。

これは今やっておかないといけない!

と思ったのが昨日の午前のこと。そこから、今日の授業に向けて空きコマを全て授業準備に向けて注ぎ込みました。

GIGAスクール構想への道のり

授業の目標は、2020年の求人リストにフィルタ設定を施して、求人リストから必要なデータだけを引き出せるようになることです。

操作手順は、

①閲覧のみ可能な求人一覧のデータを個人の白紙のスプレッドシートにコピー&ペーストする。
②貼り付けたシートの特定の列にフィルタを作成して機能を確認する。
③すべての列にフィルタを作成して必要なデータを抽出する。

という3段階の合計16工程になってます。

40名の生徒全員が、私の指示の通りに動いて16工程を全て進めることは現実的に考えて不可能だと思ったので、行き詰った時のために予め全工程をまとめた資料を印刷して配布してあります。

序盤で特に、難航したのが④の貼り付ける工程です。[ctrl]+[V]を入力した後に、約10秒間のタイムラグが発生してしまうので、きちんとキー入力出来ていないと勘違いした生徒が何度もショートカットキーを押してしまいます。

それによって、PCが貼り付け処理を完了できずに固まってしまう不具合が生じます。④の工程でいったん授業の進行をストップして、生徒のPC画面を確認して回りましたが、この段階で2,3名ほど、上記の不具合が発生しました。

この辺りの不具合解消に時間がかかってしまったので、授業のリズムが崩れてしまいました。授業はリズミカルにテンポよく進めないと、空白の時間を生徒たちに与えてしまいます。空白の時間が長引いてしまうと、眠りについてしまう生徒が発生します。

それ以外に、この段階でコピーする範囲がずれている生徒が数名いました。(これはさほど大きな問題ではありませんが…)

この段階で授業時間を20分以上消費しています。やはりPC操作を教える授業はチームティーチングでないと、うまく機能しません。

ここさえクリア出来れば、後はフィルタの作成までスムーズに進められます。

とりあえず就業地の列だけフィルタを作成して、例として、愛知県を含む企業だけを一覧表示させる方法を確認していきます。

特定の列でフィルタが作成できるようになったら、次は全ての列にフィルタを作成します。その後は生徒たちが自由に企業名を検索する時間としました。

記事を書きながら授業の流れを振り返っていますが、最初のコピー&ペーストの作業は省略して、⑤の状態のデータを生徒に共有しておけばよかったと今にして思います。

⑯の工程まで進んだら、ドキュメントの提出と同じように提出ボタンを押してもらって、一通りの操作を完了した生徒数を確認しようと思ったのですが、スプレッドシートの編集画面上には、提出ボタンは表示されないんですねぇ…。

生徒たちが無事にフィルタの作成が出来たのかを確認できないまま授業時間が終了してしまったので、少し後味の悪い終わり方になりましたが、7月から本格的に求人公開された時に、絶大な威力を発揮するので、とりあえず今日はこれで良しとしておきます。

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