昨日隣のクラスの担任の先生から、
「風のうわさで聞いたけども、今年で辞めるの…??」
と、話を振られました。
12月は希望調書の提出シーズン。
来年度以降の人事異動の希望をしたためた書類を学校長に提出するのですが、この時期になると翌年の話題がちらほらと沸き起こってきます。
平均年齢が50歳前後の本校だと、定年を迎える先生が一定数いるので、「年金もらえるまでにどうやって仕事するとよいのやら」といった相談めいた雑談が職員室内では、よく聞こえてきます。
そんな中で私の退職は異例中の異例で、生徒たちからの情報だと思いますが、私の退職の事実を聞きつけた先生にとっては寝耳に水のようでした。
40代後半の方で、いろいろと退職に至る経緯を話させてもらい、その決断に対してお褒めの言葉を頂いたりと光栄ではありましたが、この先生も色々と不満を感じることはあるようでした。
どこの組織でも大抵同じだとは思いますが、何十人と従業員を抱えると仕事をしない職員というのは必ず存在するもので、公務員という立場上、どれだけ質の高い仕事をしても仕事をしない人との待遇がほとんど変わらないという事実があります。
むしろ管理職からの信頼を獲得してしまうと、来年の職場内人事においても要職に配置されてしまうので、いつしか
そう思ってしまうわけです。
私なんかも5年くらい前までは、働かない先生に対して露骨に怒りを露わにしてたことがありましたが、そんな私であっても学校現場での経験年数を重ねるに従って、無駄な仕事はサボるようになってきました。
無駄なことに時間を割かないこと自体は、悪いことではありませんが、そのような習慣が身についてしまうと、
と自省することがあります。
公務員の世界というのは、社会主義国家と同じ構図です。
中学生の頃に、社会主義国家ソ連の崩壊の原因が、頑張って仕事をしている人たちのモチベーション低下にあると教わり、だから日本を始めとする資本主義国家は理にかなっているみたいな感じで教わってきましたが、蓋を開けてみれば、今の日本の社会構造は社会主義国家の様相です。
30年くらい前までは、新卒一括採用、終身雇用、年功序列のシステムが上手く機能してたようですが、徐々に衰退していく日本においてはこのシステムが足かせとなって、根本的な変革の妨げになっています。
一般企業においては、ジョブ型雇用に始まる成果主義への移行が図られてるみたいですが、そうなると、終身雇用、年功序列を基本ルールとする教師の存在が、「若い世代に対する良いお手本」ではなくなっていきます。
こういったところに私は危機感を感じて、学校現場をいったん離れることにしたわけですが、この先、学校現場はどう変わっていくことやら…
学校を辞めるという話
期末テスト終了後のテスト返却の1年生の授業で、最後の10分程度の余った時間に正式に今年いっぱいで退職するという話をしています。
こういう話をすると、生徒たちからは「えっ!?」っていう反応が返ってくるわけですが、おそらく生徒たちが私くらいの年代になる頃には、早期退職とか転職は一般的なことになっているのではないでしょうか…??
辞める理由として、生徒たちに伝えたポイントは2つで、
こういったことをテーマに10分程度話をしたわけですが、ここ数年、きちんと生徒たちに筋道立てて説明(授業)する機会が少なくなってきているので、
そのように感じてしまうことがありました。
あくまでも伝えたいことは、「教師としての私自身が学校現場に不要な存在になっていること」と、「教育システムの変革を期待できないことに対する絶望感」であって、これを下手に喋ってしまうと、他の先生を非難しているように誤解されてしまいかねないので注意が必要なように感じました。
思ったことを素直に伝えることは大切ではありますが、私自身に不適切な発言があった場合に、その非難の矛先は生徒から保護者を経由して学校長や教育委員会に向かってしまいます。そうなると、私以外の方に無駄な手間をかけてしまうので、それは私の本意ではありません。