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はじめに

缶詰のみかんを作る実験授業は、酸性物質やアルカリ性物質、それから2つの物質による中和反応を体験を通して学習するのにおすすめです。座学だけの知識偏重型の授業だと、どうしても日常生活との関連性が薄れがちになりますが、こうした実習を経験しておくと、生徒たちの学習に対するモチベーションは高まります。

今回の実験において、ひと房ずつバラバラにしたみかんを塩酸に浸けると、みかんのじょうのう(薄皮部分)と砂じょう(果肉)の結合が剝がれ、その後、水酸化ナトリウム水溶液に浸すと、じょうのう部分が融けて、砂じょうだけが残ります。

缶詰のみかんをつくろう!

缶詰のみかんの作り方については、上の動画を参考にしてください。

準備物()内は10セットの必要数
・みかん2個(20個) ・プラスチックケース1個(10個) ・キッチンペーパー1枚(10枚) ・0.6%塩酸200mL(2L) ・0.6%水酸化ナトリウム水溶液200mL ・300mLビーカー1個(1個) ・耐熱グラス1個(10個) ・洗浄用スポンジ1個(10個) ・温度計1本(10本) ・ざる1個(10個) ・ボウル1個(10個) ・授業資料1枚 ・授業用スライド1枚

※資料のダウンロードデータを添付

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事前準備

プラスチックケースの下にキッチンペーパーを敷いておきます。

その中にみかん、温度計、洗浄用スポンジを入れます。
これを10セット準備します。

0.6%の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を調整します。
市販の10%の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を120mL測りとり、水を加えて2Lとします。固体の水酸化ナトリウムから調整する場合は、12gを測りとり、水を加えて2Lとします。


※定性的実験なので、大体0.6%に調整できたらOKです。

塩酸200mlを300mlビーカーに、水酸化ナトリウム水溶液200mlを耐熱グラスに入れます。これを10個ずつ揃えます。

薬品を入れる容器は、目で見て区別できるように、ビーカーと耐熱グラスにしています。300mlビーカーに塩酸、500mlビーカーに水酸化ナトリウム水溶液というように、ビーカーの大きさで区別できるようにしても大丈夫です。目で見て区別できるようにした方が、生徒への指示伝達がスムーズになります。

ざるとボウル、アルコールランプとスタンド、金網は各テーブルに配置しておきます。

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実習

授業資料配布および語句の記入と本時の説明

資料の空欄に語句を記入しながら、生徒たちに今日の実習内容を大まかに把握してもらいます。

語句の記入が終わった生徒がちらほら現れたら、プラスチックケースを取りに来るように指示を与えます。(ここで、語句の記入が終わっていない生徒と終わった生徒との時間調整をします。)

実習の手順を確認

実習に取り掛かる前に、手順を確認します。
※実習内容によっては、手順の確認は省いてそのまま実習に入ることがありますが、みかんをどの容器に入れるのかであったり、廃液の処理方法など、その場その場の指示伝達だけだと伝わりにくいので、事前に一通りの流れを授業資料の内容を読み合わせて確認した方が、今回の実習はスムーズに進みます。

アルコールランプを点火して、塩酸を加熱する。

資料の空欄記入と本時の説明が終了したら、アルコールランプのふたを取り外して加熱の準備をするよう指示します。その後、各グループ200mLの塩酸を取りに来るように指示を与え、各テーブルを机間巡視しながら、アルコールランプに火をつけていきます。それから塩酸を約40℃になるまで加熱します。また、加熱している間にみかんの皮をむいて、ひと房ずつバラバラの状態にしておきます。

塩酸の温度が45℃になったらみかんを入れる。

アルコールランプでの加熱だと火力が弱く、なかなか温度が上昇しないので、時間がかかりそうだったら、40℃くらいで加熱を切り上げて、みかんを入れるように伝えます。

水酸化ナトリウム水溶液を加熱する。

塩酸の中にみかんを浸けこんだら、次は水酸化ナトリウム水溶液を取りに来るように指示を与え、水酸化ナトリウム水溶液の加熱に移ります。水酸化ナトリウムを加熱している間に、みかんをざるに取り出して水洗いしておきます。塩酸は流しに捨てずにボウルに入れておきます。

水酸化ナトリウム水溶液の温度が45℃になったらみかんをいれる。

アルコールランプでの加熱だと火力が弱く、なかなか温度が上昇しないので、40℃くらいになったら、アルコールランプの火を消してみかんを入れるように伝えます。2分くらい浸けておくと、水溶液の色がオレンジ色に変色してきますが、それがみかんを取り出すタイミングです。

最後に各グループのアルコールランプの火が消えているか机間巡視して確認してください。

ざるにみかんを取り出したら、水で水酸化ナトリウムをよく洗い流します。水酸化ナトリウムは、塩酸が入ったボウルに混ぜておきます。

みかんを水で洗いしているときに、薄皮もボロボロと流れ落ちていきます。

廃液処理とみかんの試食

低濃度であるとは言え、毒劇物の塩酸と水酸化ナトリウムの中にみかんを浸けこんでいるので、水で洗い流したとしても、食べることに抵抗を覚える生徒がいるかもしれません。そこで、私は廃液の塩酸と水酸化ナトリウムの混合溶液(ほぼ塩水)を飲み干すことで、薬品で処理したみかんが安全であることを実証しています。

あくまでもパフォーマンスなのですが、必ずやる必要はありませんが(というかやらない方が良いのですが…)、身体を張った演出を行うと生徒は喜びます。

とりあえず、生徒たちには塩酸と水酸化ナトリウムの混合溶液は、ほぼ中和されて塩水になっているので、流しに捨てても問題ないことを伝え、出来上がった缶詰のみかんの試食を促します。食べられない場合は、教卓にタッパーなどを置いておき、そこに返却するように伝えます。出来上がったみかんは、甘みがかなり抜けてしまっているので、砂糖などを好みでまぶして食べるとおいしくなります。実際、缶詰のみかんについても、シロップで味付けをしているので、それと同じ要領で、甘味料を別途準備しておくことをお勧めします。

続けて実験授業を行う場合は、生徒たちが試食している間に、0.6%の塩酸と水酸化ナトリウム水溶液を調整しておきます。

後片付け

授業時間としては余裕をもって進められるので、器具はスポンジと洗剤で洗い流します。続けて実験授業を行う予定がある場合は、洗浄したビーカーは教卓にまとめて回収して、0.6%に調整した塩酸と水酸化ナトリウムを10セット準備しておきます。その他の道具は、洗浄後テーブルの上にまとめて置いておくように指示します。

 

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