高校教育の現場より:今日の授業の振り返り(評価と課題)
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私の学校で教職員がコロナウイルスに感染しました。
この先生との接触が疑われるクラスについては休校で、居室を共にする職員についてもPCR検査を受けて、結果が判明するまでは自宅待機。この対応を受けて、時間割を編成する教務部はてんやわんや。私の担当するクラスではなかったので、授業には影響なかったのですが、卒業アルバムの各クラブ集合写真の撮影日を変更しないといけなくなるなど、少し慌ただしくなってきました。

今日の授業の振り返り(評価と課題)

それに加えて、今日の私は4コマ授業で空き時間がそれほどありません。1クラス実験授業を行う予定だったので、2つの空きコマのうち1つは実験準備、もう1つ実験の後片付けと写真屋さんとの日程調整に充てなければならないので、大忙しです。

そんな中、3クラスはChromeBookを活用した、やや先進的な雰囲気を醸し出した授業を行いました。

前回の授業の反省を受けて、今回は次の予定で進めました。

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1.動画をみる(ペアで音読)

授業進度調整のために、動画を視聴するクラスとペアで音読をするクラスを分けて展開しました。
「音読??」というと、なんか古臭いというか、「小学生か??」というご指摘をされるかもしれませんが、生徒たちは案外教科書を読みこんでくれません。それでいて、教科書に書かれている内容が理解できているのか?と言われるとそのようなことはありません。

出来ることなら、教科書に書かれている内容をきちんと理解することを目標にして授業展開したいくらいなのですが、そうすると「今は国語の授業じゃない!」と生徒たちからひんしゅくを買いそうなので、ある程度のところで妥協しています。これは私自身の能力不足・指導力不足なところもあります。

教科書が読めない生徒…というと、生徒たちをバカにしているように聞こえますが、「大学進学率が100%の進学校であっても内容理解を要する読解問題の正答率は50%強程度である」という研究結果が報告されており、文章を正しく読むことは意外と難解で重要だったりします。このことについては、過去の記事でも触れているので、詳細はこちらを確認ください。

自分自身の学生時代を振り返ってみても、大学入試問題レベルの応用的な問題が解けなかった背景には、教科書に記載されている文章をよく読みこんでこなかったが故に、各教科各単元の内容を本質的に理解できなかったことが原因の1つだったと分析しています。

今から過去を振り返れば、

全ての原因と責任は自分自身にある!

ということになりますが、教師として生徒たちに

暗記さえすればOK

問題の解き方を覚えておけばOK

のような表面的な理解しか促せないのであれば、そこは改善を図るべきところです。

とは言っても、私なんか生徒たちに落ち着いて授業を受けてもらうだけで精一杯なので、上記はあくまでも理想であって、現実とは程遠いところにあります。

まぁまぁ、そんな前置きはさておき、このような経緯があるので、少しの時間だけでも文章に触れる時間を作って、生徒たちに、「きちんと教科書を読めているかどうか」、「教科書の内容を理解できているかどうか」くらいは暗に自覚してもらおうと、音読の時間は設定しています。

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2.グループワーク

授業に関わる項目を音読したら、次はグループワークに移って、内容の整理と問題演習に取り掛かります。
授業資料に書き込む内容や問題の解答は事前に示した上で、各グループにChromeBookを配布します。

グループワークの時間における理想は、教科書本文の内容と見比べながら、授業資料の要点に書き込みを加えたり、問題の内容を吟味する状態を想定していますが、

大半の生徒が模範解答を写すことに終始してしまっているような感じだったので、このあたりは次回以降の反省材料になります。

中には、「白銅」や「黄銅」など、教科書に出てくる語句で、気になったものをWikipediaで検索して調べる生徒がいたので、

このようなプラスアルファの学習活動に取り組める生徒が多くなってくれればいいなぁ…

と思っています。私は、模範解答を写すことを「悪」だとはしていません。個人の授業資料に問題を解いた形跡が残っていることを成績評価の最低ラインとしています。その最低ラインを越えて、内容理解に進めることを私は望んでいます。生徒によっては、選択問題の解答「④」とだけ、プリントに書き込んで終わってしまうことがあるので、それだけで終わらないような仕組みを工夫しているところです。

3.振り返りテスト

今まで、授業の最後にテスト形式で問題を解く時間を設けていましたが、生徒たちに自己採点させていたので、結果を成績評価に加えることは出来ませんでした。生徒たちの自らが採点した結果を成績に入れるなど、公平に成績評価する上では論外。なので、テスト形式とは言っても、この時間の取り組みに重みをつけることが出来ませんでした。

しかし、今回からはマークシートを利用した選択問題の解答形式に変更したので、ここでのテストの結果を成績評価に加えることが出来ます。今後、生徒が1人1台Chromebookを使用する環境が整えば、GoogleFormsやGoogleClassroomに移行して完全自動採点の仕組みに移行可能です。

今回のテストは、主に高卒認定試験の問題を採用しました。今後は、教科書本文の内容を読み込むことが意識できるような問題を出題してみます。本文を抜粋・加工して、適切な漢字を選ぶ問題を出題したり、難解な語句の読み方や文章の意味を問う選択問題を出題して、生徒の学習活動が教科書の語句や文章の意味を理解する方向に向かうような仕組みづくりを検討します。

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