■新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
三重大学アメリカンフットボール部ヘッドコーチの古野 正則(ふるの まさのり)です。チーム体制が変わり、今年度は私がヘッドコーチに就任することになりました。
平素は、三重県の高等学校の教育現場に携わる関係上、チームに関われる時間は限られてしまいますが、今後とも何卒ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願い致します。
この度は、チーム体制の変革に伴い、今後私が「どのようにチームと関わり」、「どのような方向にチームを導くつもりなのか」ということについて、皆様にもご理解いただきたいと思い、弊ブログにて発信することに致しました。
今回は、主にチーム関係者およびご家族の方々に向けて、私から基本理念についてお伝えさせていただきます。
■基本理念
少なくとも私がチームに在籍している間は、
チームのニーズに応えること
を最優先に取り組みます。
スポーツ団体で活動する上は、一定期間における取り組みの成果が求められます。具体的には試合に勝つことが、そこに含まれるものと思います。しかし、その結果が必ずしもチームのニーズとイコールで結ばれるとは限りません。
現在、我々は東海学生アメリカンフットボール連盟の2部Bリーグに所属しており、毎年上位リーグへの昇格を目指して日夜努力を重ねております。そして、秋期の大切な試合において勝利を重ね、上位リーグへの昇格と駒を進めるに従い、私たちの地位と名声は高まっていくことになります。
我々がこの勝利の喜びと栄光を目指して活動に取り組むことには変わりありませんが、私はそれよりもまず、チームに関わる人たちのニーズに応えることを最優先にチーム作りに専念します。
そのニーズとは、大きく3つに分かれます。
◎2つ目が
その学生たちを全面的にバックアップして下さっている
『家族の方々のニーズ』
◎3つ目が
『チームを応援してくれる方々のニーズ』
今回は1つ目、2つ目のニーズについてお話させていただきます。
■学生たちのニーズ
私は、学生たちのニーズに応えるためには、「学生の視点から見たニーズ」と「指導者の視点から見た学生のニーズ」の2方面から検証する必要があると考えております。
1.学生の視点から見たニーズ
楽しくフットボールがしたい
大半の学生は、大学入学後にアメフト部員との出会いがきっかけとなり入部を決意します。そのきっかけとしては、4月の新歓期に、部員たちの人柄やチームの楽しそうな雰囲気に惹かれたことが挙げられます。つまり、学生たちは楽しくフットボールに励むことに4年間の大学生活を捧げる決意を果たし、初めて経験する未知のスポーツに対する不安を払拭した上で、アメフト部の門をくぐります。
私たちを始めとする指導者一同は、この決意に応える必要があると思います。
試合に勝って上位リーグへの進出を果たすという目標を掲げる以上は、時には厳しい練習も必要となってきますが、ただ辛く厳しいだけの活動で終わってしまってはいけません。
また、楽しむという字は、「らく」とも読めるため、一時の快楽に浸る様を連想させてしまい、常勝集団とはかけ離れた寄せ集めの弱小集団を想起させてしまう可能性があります。それ故に、かつての体育会スポーツ全般においては、理不尽な上下関係を強要し、選手を肉体的・精神的に追い込む手法が選択されていました。
しかし、このような勝利至上主義的な指導方法ではチームに未来がないことは、昨年の日本大学アメリカンフットボール部の一件より明らかです。2018年は、パワハラ問題報道が後を絶たず、スポーツ界の闇の部分に焦点が当てられました。
私たちは、その悪しき習慣とは対極に位置するチームとして、日本のスポーツ団体の正しい在り方を照らす光として、フットボール界の発展の為にも、その存在をアピールしていくことを、ここに宣言します。
学生たち、そして私がここで表現する、「楽しむ」というのは、フットボールに取り組む日々のやりがいや充実感、そして目標をクリアした時に味わう達成感を含む感情を指しております。
日頃から楽しく競技に専念し、フットボールが好きになれないとプレーヤーもしくはチームスタッフとしての飽くなき探究心や向上心、そして、それらを支える強靱なメンタルは形成されないものと私は考えます。
2.指導者の視点から学生のニーズに応える
指導者の視点から学生のニーズに応えることを考えた場合、ただ楽しく4年間フットボール活動に専念するだけでは不十分です。もしかすると、学生たちは周りの空気に流され、安定した企業に就職することを目的として、大学進学を決意したのかもしれません。
しかし、高等学校を卒業して大学に進学するということは、さらに高度な教育を求め、より深い教養と人間性を涵養することに他なりません。学生たちがフットボール漬けの充実した楽しい4年間の大学生活に満足した事実を以て、「学生たちのニーズは満たされた」と安直に判断するのは、指導者の怠慢であると私は考えます。
従って、学生たちが学業と課外活動との両立を果たせる環境作りを目指すことは当然ですが、たとえ課外活動であったとしても、4年間の大学生活における貴重な時間を費やす以上、そのようなチームには、学生たちの人間的な成長をもたらすきっかけと仕組みが備わっている必要があると思います。
彼此10年以上学生たちを指導する立場としてチームに関わってきましたが、私自身の力不足もあり、現在のチームは、上記のニーズを十分に満たせておらず、今後ますますの進化が必要であると感じております。
日に日に進化と発展のスピードを増していく現代社会においては、自らの人生を自分自身の手で切り開く力が必要とされてきます。そのような急速な変化に順応できる人材を輩出していく意味においても、私たち指導者は真に学生たちのニーズに応えていけるように努力を重ねていくべきであると考えております。
■家族の方々のニーズ
平素から学生たちが大学に通い、課外活動としてアメリカンフットボールに従事する生活が出来るのは、学費や生活費の面でご家族の方々から多大なるご支援をいただいているからだと存じております。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
私がこの書面を発信するに至った経緯には、
私は、三重大学アメリカンフットボール部が打ち出す理念が学生たちのニーズに応えるのと同様に、ご家族の方々の思いにも通じるべきだと考えております。
日々の活動の様子は、YoutubeやTwitterを通して発信していきます。フォローやチャンネル登録していただけると活動の励みとなりますので、もしも可能でしたらご協力よろしくお願いします。
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平成31年1月1日