学校現場は「スクールセクハラ」について現職教育を行うべきだ!
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学校現場は「スクールセクハラ」について現職教育を行うべきだ!

教師の不祥事報道を追いかけている時に、学校現場のわいせつ事件をテーマにした書籍に出会いました。

仮名ではあるものの、実際に起きた事件を被害者の視点だけではなく、加害者の立場に関する記述も見られるので、どのような経緯から事件に発展していくのか生々しく表現されていて、とても参考になると思いました。

教師の不祥事報道については、こちらを参考ください。

「学校現場の不祥事報道」 かなり多いです。

著書の中身を読み進めていくと、ただただ同業者として怒りがこみ上げてくる次第です。そのような思いもあって、今回はブログのタイトルを、

「学校現場は「スクールセクハラ」について現職教育を行うべきだ!」

とさせていただきました。
この問題は、学校の体質を表しています。問題が起きた時こそ、危機管理能力が問われるのに、多くの学校はきちんと対応できない。子どもを第一に考えるなら取るはずがない対応をすることも多い。教師たちが保身しか考えないから、いじめや体罰などの場合もトラブルが絶えないんです。
上記は、著書からの抜粋です。声を大にして言えませんが、現場で働く教師としても痛く同意します。それよりも、学校現場では、未然防止するための対策が講じられていないので、まず「教師に対する現職教育」、「生徒(保護者)に対する注意喚起」を実施して、これらの問題に対して誠実に向き合うべきだと私は主張します。

このような取り組みを通して、教員に対しては、異性の教員と生徒が密室の部屋で二人きりにならないなどのマナーを徹底し、生徒に対しては教師の不審な態度や行動に気付いて、はっきりとNoを突きつけたり、他の教員や保護者に報告するなどの初期対応を習慣づけるように指導するだけでもかなりの効果を期待することが出来ます。

このような未然防止策を訴えても、

管理職(校長・教頭)の立場からすると、
「教職員から管理職は私たち(教職員)のことを信頼していないのではないか!?」

と思われることを案じたり、

教員の立場からすると、
「うちの学校には、そのようなことをする教師はいない!」

というプライド

などの感情が障壁となり、具体策の実現に結び付くことは困難を極めます。それに加えて、教育現場は多忙の一途をたどっているので、何か新しいことを始めるということは、現場で働くものに対して大きな負担となってのしかかります。

しかし、そのような状況にあったとしても、問題の悪質性に気付いていただき具体策の実行を阻む感情の障壁を乗り越えてもらいたいものです。

スクールセクハラに登場する事案を分類すると大きく3つのパターンに分けることが出来ます。

1.生徒に好意を抱く教師とNoと言えない生徒
2.生徒に癒しを求める教師と愛情を求める生徒
3.生徒に服従を求める教師とクラブ活動する生徒
それぞれのパターンについて、著書からの抜粋を掲載しますので、購入の際の参考にしていただけると幸いです。

1.生徒に好意を抱く教師とNoと言えない生徒

彼女は高校二年の秋、進路指導の面談で担任教師の山本武から「カラオケに行こう」と誘われ、断り切れずに車に乗せられてホテルで乱暴された。
「まさか先生がそんなことをするなんて」
誰にも言えず悩むうち、摂食障害になった。大量に食べて吐く日々。勉強どころでなく、成績は極端に落ちた。それでも担任がいる地元から逃げようと必死に勉強し、関東の大学に入ったが、その後も悩み続けた。卒業し、就職してからも悩みは続いた。
「どうしてついて行ったのか。なぜ大人に相談できなかったのか、と自分を責めました」
「どうして逃げられなかったんだろう。『助けて』って、なぜ言えなかったんでしょうねぇ……大人に気付いてほしかったけど、自分から言う勇気はなかった。あのころは精神的に幼くて、先生には従うべきだと信じ切っていたんです」

2.生徒に癒しを求める教師と愛情を求める生徒・抜粋

由美さんが毎日のように「大好き」と手紙を渡したのは、そんな時期だった。
「お金がないから手作りする。」
由美さんはそう言って次々と贈り物をくれた。お気に入りのハートマークをたくさん描いた色紙もあった。
使い古した人形。「お手伝い券」に「肩たたき券」。次々にくれた。
「有効期限一週間」の「チュー券」まで。「どう使うの?期限付き?」と聞くと、
「期限はナシにしてあげる。」
と由美さんは笑った。鈴木は舞い上がった。
由美さんは芸能界の話題に詳しく、話の内容も口調も大人びていた。
「担任を離れてから、教師とは別の時限で愛情を感じました。今考えると不思議ですが、なぜか深みにはまっていきました。」
「不思議ですが、彼女にひかれ始めていました。大人との恋愛でもそうでしたが、私は押しに弱いんです。でも、小学生に恋愛感情を抱くとは思ってもみませんでした。」
 今は、由美さんが母子家庭の寂しさから父親的なものを求めていただけだと分かる。だが、仕事で悩みを抱え、家庭でも妻と擦れ違う心の隙間に由美さんが入ってきたことで救われたのは間違いない。
性犯罪に詳しい専門家は、中流家庭で育って知的な職業に就いていても、本当に欲しいものが手に入らず、代わりに子どもや女性を性的に支配して欲求を満たそうとする性犯罪者は珍しくない。

3.生徒に服従を求める教師と体育会系の生徒

 密室での原口の命令が「三回回ってワンをしろ」、「服を脱げ」、「出された指をくわえろ」とエスカレートしたことを、勇気を振り絞って市教委に打ち明けた。カルト宗教の信者のように巧みに生徒がマインドコントロールされ、操られていたことも話した。担当者は「同じ仲間として誤ります」と言った。
 しかし、証言を終えてほっとしたのもつかの間、やはり原口は全面否定したと聞かされた。早苗さんは絶望的な気分になった。

性暴力は「魂の殺人」といわれる。

 多くの性被害者の声を聞き続けてきたNPO法人「スクール・セクシュアル・ハラスメント防止全国ネットワーク」(SSHP)代表の亀井明子さんは「体は存在しても、被害者の意識は別の所にあり、雲の上を歩くような感覚に陥る」と解説する。
被害を受けて失った一番大きなものは「自信」だ。自尊心を奪われて、常に自分が悪いように思え、「ごめんなさい」が口癖になった。
「私なんて」と投げやりになり、異性関係でもひどい目に遭った。「デートDV」といわれる恋人間の暴力、ドメスティック・バイオレンス(DV)も受けた。殴る蹴るの暴力で肋骨が折られても謝るほどだった。
亀井さんは。「被害が被害を呼ぶ」と言う。判断力が鈍り、新たな被害に遭いやすいという意味だ。最初に被害を受けなければ、その後、恋人からひどい目に遭うこともなかっただろう。
「あいつさえいなければ」と思うが、「自分が悪い」とあきらめていた。
上記にもある通り、性暴力を受けた被害者は、長年に渡って2次的な被害に苦しむことになります。生徒の自己実現など前面に押し出した目標を掲げる学校現場においては、生徒の夢と希望を打ち砕く行為を断固として打ち砕く意思を示してもらいたいところです。
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