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クラス担任の役割とは? 必要なスキルとは何か?

それに対する答えが見えてきたのは、初めてクラスを担任してから3年目のことになります。当時担当していたクラスは、県下では上位の進学校だったので、そのような事を意識していなくても、生徒たちは常識をわきまえた行動ができます。

ゆえに、行き過ぎた違反行為などはなく、クラスが崩壊するということはありません。

しかし、そのような状況に甘んじていると、気付いた時には、クラスがだらしない状態になってしまうことがあります。そのような状況に陥ってしまった時には、たとえ理性を持った集団であっても、クラス担任の手に負えなかったりすることが往々にしてあります。

私が初めてクラス担任を務めた3年間は、そのような状態に陥ってしまいました。

正確に言えば、「生徒がだらしない!」状態ではなく、

「私に対しては、だらしない態度で接してもよいと生徒に思われてしまった!」状態です。

当時の自分は、隣の芝は青いが如く、他のクラス担任がきちんとしているのを目の当たりにして、

自分はこんなのでいいのかな・・・

と不安な日々を過ごしていました。

自分自身、学習面に関するストレスから不登校気味になった生徒のフォローを中心に、出来る限りのことは尽くしてきたつもりです。

しかし、それはクラス全体に対することではなく、1個人への対応であり、それだけではクラス担任の職務を全うできているとは思えませんでした。

個々の生徒に対して誠意をもって接することで、その子に対しては、結果的によい方向へと導くことが出来たように思います。

しかし、

クラス全体の教育的効果を最大限に発揮するためには、教師として何かしらのスキルが必要である。

という問題意識を抱いていました。

学校生活に行き詰った生徒に対しては、きちんと接することが出来るけど、

その他大勢の生徒に対して、自分は何をしてあげられるのか?

ということが、クラス担任を受け持ってからの大きな課題になりました。この課題に対する明確な解答を導き出すきっかけを与えてくれた書籍はいくつかありますが、

決定打と言うべきものが、以前にもご紹介したこちらの書籍です。

中学の学級経営―黄金のスタートを切る“3日間のネタ”110 単行本

– 2003/4/1
向山 洋一 (編集), 田上 善浩 (編集)

高等学校での教科指導と生徒指導 | 授業の基本シリーズNo.06にて、

生徒を叱る時のルールについて、当書籍の内容を参考にしてお伝えしましたが、この書籍には私のように未熟な教師にとって目から鱗が落ちるような内容がぎっしりと詰まっています。

それが、今回お伝えする「黄金の3日間」です。

黄金の3日間とは、具体的にはクラス開きをしてから最初の3日間を指します。この3日間の過ごし方によって1年間の在り方が決まると言っても過言ではありません。

本書において、次のような説明があります。

黄金の3日間は、子どもたちは素直になる。教師の言うことを聞く。この時こそ、「クラスのルールをつくり」、「クラスのしくみをつくり」、「授業のルールをつくる」時なのである。

それから、さらに中学1年生の入学式に必要なものとして、

3つの要素を挙げられています。

1.安心感。(入学式当日のドラマに不可欠な条件は1つ。)
2.その気持ちの影には必ず「不安」がある。
3.指示どおりできたことをシャワーのようにほめていく。

教師でも新しい職場になるときには緊張します。生徒たちであれば尚更のことでしょう。

「新しい学校はどんなところだろう?」

「友だちと仲良くやっていけるかな?」

胸の中に大きな不安を抱きつつ、生徒たちはやってきます。

その時に、生徒が求めるものは、「安心感」です。

学校のルールを知らない生徒たちは、自己主張する余裕がない程に不安な心理に苛まれながら、とりあえず教師の指示に従っていきます。これほどまでに従順に教師の指示に従うのは、後にも先にもこの時だけです。

この時に、教師は生徒たちの適切な行動を褒めたたえることで、生徒たちに「これでいいんだ!」という安心感を与えます。

ここで大切なのは、

「教師の指示に反応して適切な行動をした」

という事実を生徒たちに印象付けることです。この時、クラス担任は、生徒たちに指示が適切に伝わったことに対する安心感を積み重ねていきます。

教師の指示内容を理解して適切な行動する、そして適切な行動に対する承認のメッセージを送る。この双方のコミュニケーション、つまり生徒たちの適切な行動を褒めて認めてやることが

黄金の3日間において大切になってきます。

今後、仮に生徒たちが不適切な行動をとった時には、黄金の3日間を振り返り、

あの時は、きちんと出来ていた君たちが、今回〇〇してしまうなんて残念だ。

と、

生徒たちは物事の分別がついていて正しい行動がとれる集団である」

ことを認めた上で、不適切な行動に対して遺憾の意を表明し、

生徒たちに反省を求めるような指導が可能になります。

私はこの時、

「生徒を叱責する以外の指導(叱る)方法」

を新たに身に着けることが出来ました。

そして私は、新たな学校に異動となり、

1年生のクラス担任を務めることになった、

クラス担任経験4年目の時に、

上記のポイントを参考にして、

黄金の3日間の過ごし方を実践することになりました。

黄金の3日間の初日となる入学式の日に、

私は特に細心の注意を払いました。

この日の生徒と保護者は、

まず体育館にクラス別に集合して入学式に参列します。

その後、教室に移動してクラス開きのような形で、

諸連絡を受けるという流れになっていました。

私は体育館に入ってくる生徒たちに積極的に挨拶を行い、

座席に誘導していきました。

生徒たちの出席番号と名前を事前に覚えておくと

、生徒たちがその事実を知った時に少し驚いてくれます。

そして、おそらく初対面の担任の先生が自分の名前を既に憶えていてくれたら

「安心感」を抱くのではないでしょうか。

私は、この時に生徒たちを褒めるポイントを必死で探しました。

この時に見つけ出した生徒たちを褒められるポイントは2つありました。

  1. 私の挨拶にきちんと反応して、挨拶を返してくれたこと。
  2. 学校長の式辞をきちんとした姿勢で聞けていたこと。

クラス開きの時に私は自己紹介と合わせて、

この事実に触れて生徒たちを全力で褒めました。

この時の成果を数字で測ることは出来ませんが、

その後の表情を見る限り、大成功だったと思います。

当時の学校の方針として、

1年生については4月の下旬から家庭訪問を行い

保護者と面談することになっていましたが、

かなりの数の方から、息子、娘は学校が楽しいと

家で言っていると伝えてくれました。

そして、入学式を終えてから数日後に奇跡がおきます。

出会って、数日しか経たない内に、

生徒たちがサプライズで私の誕生日を黒板へのメッセージと

寄せ書きで祝ってくれました。

※ちなみに私の誕生日は惜しいですが4月16日ではありません(笑)

微妙に誕生日(birthday)の綴りが怪しいのですが、それは愛嬌として、

これは生徒から私に対する「これから1年間お願いします。」という今の気持ちである

という風に私は受け取りました。

そして、予期せぬ奇跡に感動するとともに、

黄金の3日間がもたらす偉大な力を思い知ることになりました。

 

と、ここまでは黄金の3日間の素晴らしさをお伝えしましたが、

実は入学式の2日後の朝、

私のクラスの生徒がトイレでの喫煙行為により、

早速謹慎指導に入ります(ちなみに発見したのは私)。

この生徒を含め、クラスの何名かの生徒とは、

この先1年間、親密なお付き合いを続けていくことになりましたが、

その他の生徒たちが落ち着いている分、

クラス運営はやりやすかったと思います。

黄金の3日間という言葉を初めて耳にした先生には、

是非とも試していただきたいスキルです。

授業の技術シリーズ(続き)はこちらのガイドを活用ください。

授業資料集

実際の授業で利用した全データについてはこちらを参照ください。
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