コーンフレークの鉄分には、磁石にくっつくものとくっつかないものがあるのをご存知でしたか⁇
今回、都留文科大学 特任教授の山田 暢司先生の次の動画を参考にして、3年生の授業にアレンジしてみました。
コーンフレークの鉄分は、磁石にくっつく!?
準備物
オールブラン、フルグラともに成分表示をみると、鉄分が含まれていますが、オールブランだけ磁石に引き寄せられ、フルグラは磁石には反応しません。
原材料名を確認すると
鉄分としてオールブランには「鉄」そのものが含まれていて、フルグラは「クエン酸鉄Na」を含有しています。
※正確には、クエン酸鉄Naです。改行によってNaの元素記号が見えなくなっています。
このような事情から、オールブランのみ磁石に反応するわけですが、生徒たちにはネタバレをせずに、まずは実験を通して現象を確認します。それから、次回のレポート作成の時に、なぜこのような違いが発生するのか考えてもらいます。
実験1:水入りのシャーレに入れて磁石を近づける
シャーレの中に水を入れて、その中にオールブランを入れます。
水に浮かんでいたり、端っこの方にくっついていると、表面張力の影響によって、磁力による反応が観察しにくくなります。そこで、ピンセットでオールブランをシャーレの中央付近に寄せて、水の中に軽く沈み込ませます。
磁石は100均のネオジム磁石を使用します。
1枚だけだと磁力が足りないので3枚ほど重ねておきます。
磁石をオールブランの側面に近づけていくと、磁石に引き寄せられる様子が観察できます。
同じように、次はフルグラで確かめます。フルグラだと磁石に反応する様子は観察できません。
実験2:鉄分を取り出してみる
水を入れたペットボトルの中にオールブランを適量いれます。
水は200ml程度、オールブランは手のひらで一掴みする量があれば十分です。
オールブランを入れたら、激しくペットボトルを振ります。
1分ほど経過したら、ペットボトルの外側から磁石を近づけてみます。
すると、粉々になったオールブランの破片が磁石に引き寄せられる様子が観察できます。
そこからさらに1分ほど振り続けてから磁石を近づけます。すると今度は、細かな鉄の粒子が磁石に引き寄せられる様子が観察できます。これがオールブランの原材料に使用されている「鉄」です。
同様の操作をフルグラで行っても鉄は検出されません。
磁石に対して目に見える反応を示すのは、強磁性の「鉄」で、鉄を含むクエン酸鉄の化合物や鉄イオンには反応は示しません。このように鉄分という同じくくりであっても、磁石に反応するものとしないものがあるのは面白いですね。まさか、食品の中に本物の「鉄」が混ざっているとは!?
私も驚きでした。磁石に鉄が引き寄せられる様子を観察している生徒たちの反応もよく、なかなか興味深い実験授業に仕上げることができました。今回の実験内容を基にして、次回の授業ではレポート作成します。