高校教育の現場より:教員生活最後の4月
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今日の授業は、2限目のみの1時間授業でした。1年生のクラス数が減った関係で、昨年より授業が2コマ少なくなっています。

これは、私にとってはとてもありがたいことです。実験授業をするとなると、準備と片付けもセットになるので、たかが週2時間分の減少ですが、私にとって4時間分に匹敵する価値があります。そのおかげもあってか、いつにも増してゆとりを持って仕事が出来ています。

2年前にこちらに赴任してきた頃を思うと、常に明日の授業準備に追われ、精神的に極限状態。かといって前日のやっつけ仕事で準備した授業など、生徒たちにそれほど大きなインパクトを与えるわけでもなく、日々の逆境を乗り越えた割には、その労が報われた感覚を得られることがなく、徐々に疲弊していく毎日。

転任した初年度は毎回こんな感じで、年を重ねるごとに授業のストックが積み重なり、負担感が軽減されていきます。

教員生活最後の4月

そんなこともあって、今日の授業はなかなか贅沢な二本立て。アルカリ金属と水の反応、そしてうがい薬を使った指紋の検出。

来年からいよいよ社会人デビューの3年生。少し危険な禁水性物質の性状を実体験を通して確認してもらいます。

知識の整理から内容説明など、通常授業で行う前段部分をバッサリ端折って、今からやる事と注意点だけを簡潔に伝えて実験開始。実験内容の振り返りは、次回の授業でChromebookでレポート作成練習を兼ね、まとめて行います。

ということで、今回は実験しつつレポート作成のための記録画像の収集が中心となります。

今回、アルカリ金属として準備したのは、ナトリウムとリチウム。

それぞれを小さな米粒大に切り分けたものを、水を満たしたシャーレに放り込みます。

黒い固体がリチウムで、灰色の方がナトリウムです。

リチウムは大したことありませんが、ナトリウムはこれだけ小さくても激しく反応します。まさに「山椒は小粒でもぴりりと辛い」というやつです。

水との反応を確認したら、次は水素が発生していることを確認します。今度は水が入った試験管の中に、ナトリウムとリチウムの破片を入れてゴム栓を上から被せます。

水と反応して破片が無くなったら、マッチの火を近づけます。

水素と反応した時に発生する炎の色が、炎色反応に対応しているのが面白いですね。

今回の写真は、授業中に生徒が撮影したものを使用してますが、なかなかいい写真が撮れています。

後半はうがい薬を使った指紋の検出です。砂皿の上にスチール缶を置いて3分程度加熱したら、うがい薬を加えます。

加熱している間に、細長く切断したプリンター用紙の一端を親指と人差し指で強く1分程度つまみ、手の脂肪分を付着させます。

スチール缶が温まってきたら、ピペットで缶の中にうがい薬を入れて、紙に付着した指紋を炙り出します。

上手くいくと、こんな感じで指紋がくっきりと現れます。

こんな感じで、なかなか贅沢な実験授業は終了。授業後は、生徒がいない実験室で1人寂しく後片付けです。

アルカリ金属と反応した器具は水につけて、塩酸で中和しておきます。

中和点は予めフェノールフタレイン溶液を滴下しておき、大まかに把握します。

ついでにコーンフレークの実験が全クラス終了したので、排水溝に取り付けた網を回収します。

実験の片付けは、授業時間数が少ない日にまとめて行います。なので、授業がない空き時間もなかなか忙しいです。片付けが終わったら、来週の実験授業の準備を済ませます。

そうこうしている内に、6限目が終了して放課の時間。今日はバスケットボール部のトレーニング指導に参戦して、私も坂ダッシュしました。

ここの坂道はなかなかの急勾配で、トレーニングをするには最適です。ということで、私も一緒に鍛えてもらいました。

こうして、私の平凡な1日の学校生活が終了しましたが、よくよく考えてみると今日は4月30日。教員生活で最後の4月。そう考えると少し感慨深い思いが込み上げてきます。まだまだ今年度が最後という実感は沸いてきませんが、日々の時間を大切に過ごしていきます。

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