高校教育の現場より:新学期までにクラス担任が準備すること①
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皆さん。おはようございます。こんにちは。こんばんは。教員生活最後の4月2日がやってまいりました。
本日は、

新学期が始まるまでにクラス担任が準備しておきたいこと

ということで、
実は、本校に大卒新規採用の方が着任されたのですが、その先生がなんと2年生の担任を持つことになりました。
当初、担任する予定だった先生が、
教職員組合の要職についている関係で、担任は出来ないと進言したらしく
その関係で人員の再配置が行われた結果、新規採用の先生が担任をする羽目になってしまいました。
教え子を戦場に送るな!
が教職員組合のスローガンだったと思いますが、
未熟な若者が最前線に送り込まれる構図は今も昔も変わりませんねぇ…。
さぁ、ということで、右も左も知らない新規採用の先生がこれからクラス担任をしないといけないので、
この先生に限らず、これから定期的に教職経験の浅い先生向けに、この先準備すべきことや気をつけるべきことを発信していくことにします。
今日は、その第1弾
新学期が始まるまでにクラス担任が準備すること!
その①です。
1.クラス用出席簿の作成
◎用途
①毎時間各教科担当が、出欠状況を記録する。(教科担当が利用)
⇒学期末に教務手帳(※教科担当が講座ごとに記録している出欠状況)と出席日数を照合することがある。
②遅刻数をカウントする。(生徒指導担当が利用)
⇒定期的に生徒指導担当教員が遅刻数をカウントするために利用する。回数が多い生徒は、遅刻指導の対象となる。
③欠席、遅刻、早退、出席停止、忌引の記録を通知表や指導要録に残す。(担任が利用)
⇒中間考査、期末考査区切りで、上記情報を校務支援システムに入力して、教務部に報告する。
④生徒の出席状況を確認する。(担任が利用…することがある)
⇒気になる生徒の行動傾向を把握するときの情報源として活用することがある。
※特定の授業がある日だけ遅刻・欠席したり、保健室やトイレを利用するなど。
作業1.年間行事予定を参考に日付を書き込んでおく。
〇各学期の区切り
1学期:始業式~期末考査最終日
2学期:1学期期末考査最終日の次の日~2学期期末考査最終日
3学期:2学期期末考査最終日の次の日~学年末考査最終日
※1.出席数のカウントは、3学期の終業式まで行うので、3学期分は終業式の日程まで作成する。
※2.出席簿に使う用紙や教務手帳など、成績記録関連グッズは、基本的に教務部が管理している。
作業2.出席簿の所定欄に名列票を貼っておく。
学校によっては、4月当初に名列票が完成していないことがあるが、本校はクラス替えが基本的に行われないので、昨年度の名列票を流用できる。
作業3.とじ穴の補強シールを貼っておく。
日数が経過すると、とじ穴周辺が破れることがあるので、機密資料の紛失防止のために事前に補強しておくと便利。
※面倒くさければやらなくてもよい。
※校務で使用する事務用品は、事務室に保管されているので、必要なものは事務室に行って一言声をかければもらえる。
(注)上記内容は、本校のものなので、学校によっては微妙に違いがあることをご了承ください。
2.生徒机の配置を床にマーキングしておく
◎目的
掃除の時間等、生徒の机を適切な配置に揃えるときに、床に目印があると便利。
作業1.教室の間取りを測定して、机の前後左右の間隔を決定する。
生徒の占有空間が均等になるように、あらかじめ教室の広さをメジャーで測る。
※窓際や壁際に机を引っ付けると、生徒が授業中にもたれかかったりするので、理想的には離しておいた方が良いが、教室が狭いので、空間を最大限に利用することを優先して妥協する。
作業2.机の角の位置が分かるように床に印をつける。
机の配置を確定したら、目印となるように油性マジックで印をつける。
※床をマジックで汚すことになるが、1年すれば削れて大体が消えていく。
3.始業式から平常授業に移行するまでの生徒・担任の動きを把握する
新学期が始まってから数日間は、学校行事が続くことになるが、この時の生徒の誘導や隙間時間の生徒対応は担任が行うことになる。会議資料に掲載されているのは、その時間の予定のみで、各クラス担任が何をしたらよいのかということは基本的に示されていないので、予め考えておく必要がある。
※隙間時間に生徒を教室に入れたままにしておくのが、最も楽な手段であるが、あまり多用しすぎると、生徒が問題行動を起こす原因になったり、担任主導のクラス運営が機能なってしまうので要注意。
◆空白禁止の法則:生徒たちに空白の時間を与えない。
※何も指示が与えられていない空白時間を与えると、生徒たちが独断で空白を埋めるようになる。これがクラス崩壊の原因になることがあるので、特に何かをさせることがなければ、「~時から~時まで休憩時間とする。」と指示を与えて、生徒たちに休み時間であるという認識を持たせる。
まだまだあるのですが、今日はこのくらいで。
実は転任直後だと、学校のネットワークにアクセスするための
職員用PCが配布されておらず出来ることが限られます。
ですので、このような時は、パソコンがなくても出来ることを
先に済ませてしまいます。
さて、同じくクラス担任を受け持つ私は、
教室整備を進めておきました。
午前中はゴミ箱の準備。
教室のゴミ箱の中に袋をストックして
ゴミ箱の上に蓋を装着します。
このようにしておくと、生徒がゴミ箱の蓋をあけてから捨てるようになるので、ゴミの投げ捨てが減少します。
穴があったら入りたいのごとく、ゴミ箱の口が開いていると
生徒はそこにゴミを投げ入れようとします。
毎日学校生活を送っていると、
生徒のだらしない言動を注意したくなることが
たくさん出てきてキリがありません。
できる限り、そのような事象を少なくするための
細かな配慮を施しておくとクラスは落ち着きやすくなります。
指導によって生徒の正しい行動を促すだけでなく
事前に仕掛けておいた仕組みによって、「正しい行動を習慣化させて定着させる」ことでクラス運営を円滑にすることも大切。
そして、細かな話ですが、ゴミ箱は、教室の後ろ側に設置します。
ゴミ箱が前に設置してあると、多動傾向のある生徒が、それを目にしたときに不要なプリントなどのゴミを捨てようと授業中に勝手に立ち歩くことがあります。
ゴミ箱に蓋がついていないと、
授業中に離れたところからポイ捨てする生徒も現れます。
ゴミを捨てるという行為自体は悪い行為ではないので、その時の指導が不適切だと、トラブルの原因となります。
多動的な生徒は、目の前の情報に対して衝動的に反応してしまうので、授業中の不適切な言動を誘発する原因となるものは、教室の前には置かないようにします。
これを特別支援教育の世界では、地雷撤去作業と呼ぶみたいです。

それから卒業アルバム作成担当の業務引き継ぎ。

私が今年度のアルバム担当になったので、前任者の方から業務内容をリサーチします。

 

4月から早速動き出すので、来週からは具体的な段取り調整です。
午後は、教室の机の配置決めとマーキングです。
40名が入るには狭すぎる教室空間、
生徒たちの占有空間を均等に配分します。
机の配置に気を配るだけでも、いじめの早期発見につながることがあります。
ある生徒の机がいつも異様にずれていたりすると、
それは、
「特定の生徒が誰かを嫌っている。」
もしくは、
「特定の生徒が誰かから嫌われている。」
可能性があります。
このような日常のちょっとした変化に気が付けば
翌日からの生徒に対する接し方(気の配り方、声のかけ方)が変わってきます。
そして、最後にマークシートの読み取りテストです。
今年から、授業の最後に実施する小テストに
マークシートを採用することを検討しています。
定期考査では、部分的にマークシートを利用していますが、今回は用紙のサイズがA4からA5サイズになるので、用紙サイズが変わっても正常に業務が遂行できるかの確認です。
この手の新たな試みは、生徒がいない学校でじっくり時間をかけて準備を進めないと上手く機能しません。平常授業に突入すると、毎日がやっつけ仕事になってしまうので、失敗した時の軌道修正が効かなくなります。
これで大体、本日の業務は終了にしました。
帰り際に新任の先生に、向山洋一先生の
「授業の腕をあげる法則」を託して職場を去りました。

今までに、私が目にした教育書の中で1つ進めるならコレ!
という1冊です。
まだ、学校現場の右も左もしらない若者には、向山洋一先生の助言がいかにありがたい内容であるか!?
は、理解してもらえないかもしれませんが、
一時一事の法則や空白禁止の法則などを意識するだけでも
、しない時と比べると、クラス運営に大きな違いが生まれます。
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