【物理基礎】No.1 等加速度運動(②速さと速度、変位)
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はじめに

ここでは、速さと速度、そして変位について解説します。

■動画による解説はこちら↓↓↓

 

速さと速度について

速さ

まずは速さについてです。

運動する物体の「速い」、「遅い」を比較するためには、同じ時間内でどれだけ移動したかを調べます。

 

この時、移動距離を時間で割ったものを速さと言います。

 

運動する物体は常に一定の速さで動いているわけではなく、時間と共に変化します。

・アニメーション2
ある時刻における速さのことを瞬間の速さと言い、自動車のスピードメーターや野球のスピード測定器は、瞬間の速さを測定しています。

 

また、単純に移動距離を所要時間で割ったものを平均の速さと言います。

 

高校の物理では、速さの単位として主に秒速が用いられます。秒速の単位はm/sと表現し、メートル毎秒と読みます。

一方、日常生活では、時速が用いられることが多く、時速の単位はkm/hと書いてキロメートル毎時と読みます。

 

速度

次に速度です。

 

日常生活では速さと速度は、ほぼ同じ意味を持つ言葉として利用されていますが、物理では明確に区別しているので注意が必要です。

 

 

 

速さについては、移動距離を時間で割ったものというのは先ほど説明した通りですが、この速さに加えてどちら向きに進んだかという意味を併せ持つ物理量を速度と言います。

 

 

例えば、「太郎くんは5.0km/hで走っている。」という場合の下線部は、「速さ」の事を指し、

「花子さんは校舎から松阪駅に向かって5.0km/hで走っている。」という場合の下線部は、「速度」の事を指します。

 

 

一直線上を動く物体であれば、前進する場合は「+」、後退する場合は「ー」というように、速さをを示す数値にプラスマイナスの符号をつけることで進行方向を表現します。

 

 

物理の問題を解く時のプラスマイナスの符号については、通常は問題の文章中に指示があります。

 

指示がない場合は、「物体が初めに動き出す方向を「+」の向き」とするなど、正の向きを自ら指定した上で考えていきます。

 

 

速さや速度のように、物理では、大きさのみを表す物理量や大きさと向きをあわせ持つ物理量が存在します。

 

 

大きさのみを表す物理量のことをスカラー量と呼び、速さの他に、質量や長さ、エネルギーなどがスカラー量に分類されます。

一方、大きさと向きをあわせ持つ物理量のことをベクトル量と呼び、速度や力、電場などがベクトル量に分類されます。

 

 

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変位について

それでは最後に変位について進めていきます。

 

変位とは、位置の変化と書くように、物体の位置がどれだけ変化したかを表す量です。

 

変位は、物体の移動経路に関係なく、最初の位置と終わりの位置の変化量によって定められます。

 

そのため物体が移動する経路によっては、物体の移動距離と変位は違う量になる事があります。

 

例えば、自宅から道路を利用して、隣の家に移動する場合の経路が移動距離になりますが、変位は最初の位置から終わりの位置まで結ぶ変化量になるので、図に示す矢印が変位となります。

 

従って、同じ向きに進む場合だと、変位と移動距離はほぼ同じ意味合いとなります。


一方で、折り返す場合であれば、青の線で示す部分が移動距離となり、赤い線で示す部分が変位という違いが生まれます。

 

1直線上ではない場合も同様に、青線で結んだ部分が移動距離で、赤い線で結んだ部分が変位となります。

 

これらの図のように、変位は最初の位置から終わりの位置を結ぶ距離を示すと共に、出発点から終着点への方向も併せ持つ物理量なのでベクトル量に分類されます。

 

 

ここで変位と移動距離を問う問題を見ておきます。

問題

図のように、物体が点Pを出発してから東向きに10m進んだのち、西向きに30m進んで点Qに到着した。

 

(1)PからQまでの運動について、進んだ道のりは何mか。

ここでは移動距離が問われているので東向きに進んだ10メートルと西向きに進んだ30メートルを合計します。

従って、道のりは40メートルです。

 

(2) PからQまでの運動について、物体の変位はどの向きに何mか。

物体の変位が問われているので、最初と最後の位置に着目します。

従って、答えは左向きに20メートルとなります。

 

今回の解説は以上となります。

 

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