はじめに
今回は、等速直線運動とそのグラフについて説明します。
□動画による解説はこちら↓↓↓
①等速直線運動のグラフ
等速直線運動とは
まず等速直線運動とは、どんな運動なのかということですが、これは…
一直線上を一定の速さで進む運動のことを言います。
等速直線運動は最も単純な運動ですが、実際には等速直線運動を日常生活でほとんど見かけることはありません。最も近い例としては、電車になります。
一直線に伸びたレールの上を一定の速さで走っている電車は、レールと車輪との摩擦であったり、レールの若干の曲がりなどの誤差を省けば、等速直線運動を行っていると言えます。
等速直線運動する物体の速さは、物体の速さをv、時間をt、移動距離をxとすると、速さvはt分のxで求めることができます。
例えば、100mを10秒で走る物体の速さvは、10m/sとなります。
物体の速さの求め方は、比を使った方法でも求めることが出来ます。
速さの単位はm/sと書いて、メートル毎秒と読みます。
これは、1秒間に進む距離のことを指しています。
つまり、速さとは1秒間に進む距離のことなので、比を使って表現すると、1秒間に進む距離がv [m]であり、その速さは、10秒間に100m進む速さに等しいという関係が成り立ちます。
これよりvが10m/sであると出来ます。
言ってみれば速さとは、
移動距離を比べられる量、時間をもとにする量にした時の割合
に相当します。
1秒間をもとにした移動距離が速さである。これが速さの定義であり、時間と移動距離との割合です。
速さの関係式
次に、速さの関係式を変形すると、次のように時間や移動距離を求める式が出来上がります。
今、3つの式が出てきましたが、こちらの式は「はじきの関係図」を使うと覚えやすくなります。
図のように、速さ、距離、時間と書いて、縦同士は割り算、横同士はかけ算と押さえておくと、これらの式が頭の中に残りやすくなります。
等速直線運動のグラフ
それでは、等速直線運動のグラフについて説明します。
等速直線運動のグラフは、等速直線運動をグラフに記録したものです。
そのグラフには、v-tグラフと、x-tグラフがあります。今からこの2つのグラフについて見ていきます。
v-tグラフ
まずはv-tグラフです。
v-tグラフは横軸に物体の移動時間 t を取って、縦軸に物体の速度 v を記録したグラフです。
v-tグラフでは、時間の経過とともに物体の速度を記録していくわけですが、等速直線運動は一定の速さで物体は運動しているので、常に一定の値を取ります。
したがって、物体の速さをv0とすると、図のような t 軸に平行な直線になります。
v-tグラフの面積からは、物体の移動距離を読み取ることが出来ます。
例えば、物体が移動した時間をt0とした時の移動距離をx0とすると、x0=v0×t0となりますが、これはグラフの面積に一致します。
したがって、等速直線運動の移動距離はv-tグラフの面積から求めることが出来ることがわかります。
v-tグラフ
次のx-tグラフです。
x-tグラフは、横軸に移動時間 t を取って、縦軸に物体の移動距離x を記録したグラフです。
x-tグラフでは、時間の経過とともに物体の移動距離を記録していくわけですが、常に一定の速さで物体は運動しているので、移動距離は一定の割合で増加していきます。
したがって、物体の移動時間と移動距離の関係をx-tグラフで表現すると、原点から斜めに直線が伸びたグラフになります。
物体が移動した時間をt0とした時の移動距離をx0だった時の、物体の速さv0は、t0分のx0と書けますが、これはグラフの傾きと一致します。
したがって、x-tグラフの傾きからは、物体の速さを読み取ることが出来ます。
例題解説
ここで例題を解いてみます。
(1)この物体の速さは何m/sか。
物体の速さは、x-tグラフの傾きから求めることが出来るので、図からグラフの傾きを求めます。
したがって、次のような解答になります。
(2)物体の速さv[m/s]と経過時間t[s]の関係を表すグラフ(v-t図)をかけ。
物体の速さは0.80m/sで一定なので、v-tグラフは、図のように速さvが0.80の位置から t 軸と平行な直線が描かれます。
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