高校教育の現場より:私のGIGAスクール構想への道のり④
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本日は1年生の授業(科学と人間生活)においてChromebookを導入しました。

教室で展開する座学は、iPhone1本で完結させられるように計画していましたが、今回は初導入ということで、生徒たちをGoogleClassRoomに誘導するだけは、私自身がPC画面を操作する段取りにしました。

それ以外はiPhoneでいく!

と決めていたのですが、やはり初の試みだと想定外の出来事が多発します。

私のGIGAスクール構想への道のり

私が理想としていた展開は、次のようになります。

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1.動画をみる

授業資料を配布した後に、教科書の要点部分を動画で確認します。次の資料のそれぞれスライド1,2に相当する部分です。

動画はiPhoneからYouTube上にアップした動画を再生します。

動画を1度上映しただけでは、プリントの穴埋め部分に書き込むことが出来ないのですが、そこからはグループワークに移行して引き続き取り組むことにします。

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2.グループワーク

まずクラスの生徒たちを、4~6人のグループに分けます。そして、各グループに1台Chromebookを配布します。

Chrombookにログイン後、GoogleClassRoomの科学と人間生活のクラスに入ります。

そこにいくと、今日の授業資料の解答と1で上映した動画にアクセスできる状態になっています。

 

グループワークでの学習の進め方は、各グループ、各個人の自由です。真っ先にプリントの穴埋めをして、必要最低限のことをするもよし。教科書を調べたりググって自力で解答を絞り出すもよしです。

このように自由度を高めてしまうと、プリントの空白部分だけを埋めて、「ハイ終了!」という生徒が出現するので、最後に振り返りテストを設定します。

3.振り返りテスト

学習内容の要点を確認して、学習課題を終えた生徒たちには振り返りテストの対策を行ってもらいます。

 

テストはマークシート形式で、4題程度の出題を予定しています。Googleフォームを使えば、わざわざマークシートを準備する必要がないのですが、一人で毎回40台のパソコンを教室まで運ぶことは物理的に不可能なので、敢えてこの形式を採用しています。生徒が個人のChromebookを所持するのは2年後になるので、それまでの我慢です。

最後にテストを設定して試験結果を成績に反映させることで、出来るだけ多くの生徒がグループワークに最後まで集中して取り組めるように配慮しています。

アクシデント発生

それなりに入念に準備したつもりでしたが、アクシデントが発生して予定通りに授業が進みませんでした。

まず、授業の流れを説明しようとしたところで、スライドが電子黒板に上映されません。iPhoneと電子黒板のミラーリングは正常に完了しているはずなのに、Googleスライドを開くと画面が真っ白になる不具合が発生しました。

出鼻を挫かれる形になりましたが、それにもめげずに口答で授業の流れを説明した後に、動画上映、そしてグループワークに移ります。1年生は前の週にIDとパスワードの設定が完了し、ChromeBookへのログインは可能であると、情報担当の先生から事前に確認をとっていたのですが、それでもログインできない生徒が数名出てきます。IDとパスワードを記録した用紙を確認しながらログインしても入れない。用紙に書き残したパスワードと実際入力して設定したパスワードがミスタイプなどの原因で一致していないことが考えられます。

グループに分かれるのは良いものの、なかなか学習課題に取り掛かれません。

今日は、2,3,4,6限目に授業が入っていて、2限目と6限目がChromebookを活用した授業でした。1番最初の2限目では、このようなトラブルが続き、予定通りに振り返りテストを実施出来ませんでした。6限目は、すべてをiPhoneで完結させることを放棄して動画の再生のみiPhoneで行うことにしましたが、ここでは音声トラブルが発生。

この時、iPhoneを使用した授業展開を完全に放棄することを決意しました。

iPhone片手に授業を進めるなんて、何とスマートなことなんだろう!

と授業の構想段階では心をときめかせていましたが、いざ授業を行うとなるとChromeBookを10台も教室まで運ばなければならず、授業自体はiPhoneでクールにこなせたとしても、ChromeBookが入ったとても重い買い物かごをぶら下げて、2Fから3Fの教室を歩く姿はクールではない現実に直面してしまったので、

今年も泥臭く授業する!

ことにしました。結局Chromebookを10台運ぶ時点で、iPhoneとPCの重さなど誤差にすぎないので、私も生徒と同じく授業用のPCを持参することにします。幸い学校には、生徒用のChromeBook約80台と教師用にDynabook約20台が支給されています。ChromeBookは電子黒板に投影できませんが、Dynabookはスライド表示から動画再生まで、私が必要とする機能をすべて満たしてくれるので、こちらを利用することにします。

6限目の途中から、完全にDynabookの使用に限定したので、授業はスムーズに進みました。生徒たちの反応も良好で、なかなかいい手ごたえがつかめたように思います。今回の学習課題では、「レアメタルとはどのような金属か?」と問う問題があり、これは教科書の脚注に答えが掲載されているのですが、

ChromeBookの使用が認められているのだから、当然Google検索で答えを探してもらっても構わない。むしろ、ネット空間から正しい情報を引き出せる方が、社会生活を営む上で好ましいことである。

と、今回のグループワーク終了後に、全体に向けてフィードバックを残しました。

グループワーク中に各グループを巡回していると、Chromebookを折りたたんで、タブレット状にして利用する生徒たちがいて、

その場その場で適切な使い方が出来ている!

と、称賛しました。当たり前の使い方といえばそうなのですが、ガラケー時代を長く生きてきた私は、まだPCのディスプレイを逆「く」の字に折り曲げて使用することに一種の抵抗を感じます。しかし、スマホ世代の生徒たちは、それを難なくこなしてみせるので関心してしまいました。

そんなこんなで、1年生版GIGAスクール構想は1歩前進しました。

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