手羽先から骨格へ | 手羽先で骨格標本を作ろう①
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手羽先から骨格標本を作ってみたい。

今年度異動により、新たな勤務先にやってきて約半年。

ライフワークバランスを保つために、授業は今まで実践してきたものを中心に展開してきましたが、今まで30~40規模の生徒たちに展開してきた授業と、少人数の生徒たちに対する授業とのミスマッチが発生したり、そもそも授業者である私自身が物足りなさを感じるようになってきました。そのような事情もあり、今まで経験したことがないことをやってみたいと思い、かねてより気にかけていた骨格標本づくりにチャレンジしてみることにしました。

本題に入る前に授業を行ってみた結論から申し上げると、今回は大失敗です。
こういった内容は、生物部などの生徒たちと課外活動で行うべきものかなー、と少し反省しました。
なぜそのような結論に至ったのか等々、参考にしながら読み進めていただけると幸いです。
具体的な手順については、こちらのブログを参考にしました。
ポリデントにパイプユニッシュ!キッチンで作る骨格標本1(手羽先編)
今の職場では、実験室を使って授業をする慣習がなかったので、私もその慣習にならって教室ベースで行うことを前提に計画を組みました。従って、煮沸・洗浄などの工程は、(本当は生徒に経験させた方がいいのですが・・・)私が自宅で行うことなります。

1時間目:タンパク質や無機塩類(ミネラル)などの五大栄養素について、担当科目によって化学的もしくは生物的な視点から手羽先に含まれる栄養素を題材として説明した上で、骨格標本作りの最初の行程として、手羽先の肉を取り除く(要は手羽先を食べる)。

2時間目:煮沸し、表面の肉を取り除いた骨格をビーカーに入れ、これから軟骨を取り除くためポリデントにつける様子を示す。ポリデントに含まれる成分を題材としてタンパク質分解酵素など酵素に関わる話を展開する。

3時間目:軟骨を取り除き、ベンジンに2~3日つけてから乾燥させた骨を配布し、骨格標本を組み立てる。
さて、ここから授業に向けての準備。
1時間目の準備として、まずは骨格の材料を購入。
1本88円の手羽先揚げを購入しました。
(ここのスーパーの揚げ物の味付けが結構おすすめです。)
手を拭くためにウェットティッシュを購入しておきました。
後は、手を汚さないように手羽先にくるむためのアルミホイルや小分けするための紙コップなど、自宅にあるものを適当に取り揃えて授業に臨みました。授業で手羽先を食べられる生徒なんて幸せ者だと、生徒たちの喜ぶ姿を思い描くものの・・・。いくつかの想定外の事態に遭遇する羽目に・・・。
最初に行ったクラスでは、

①冷めた手羽先はおいしくないから温めてほしいと言われる。

⇒わがままな子どもたちだと思いながらも、確かに温かい方がおいしいということには納得する。私の時代の弁当は基本的に冷めているのが前提だったが、今は保温機能付きの弁当箱が普及したり、コンビニだって弁当買ったら店員さんが温めてくれるから、今の子どもたちは、冷めた料理に対して、私の年代よりも感じる抵抗感が大きいのかとジェネレーションギャップを痛感する。
②動物を殺めることに抵抗を感じている、つまり菜食中心の生徒がいることが判明する。
⇒これは仕方ない。こちらとしても食べることを強制できない。
結局、②の生徒以外は手羽先を食べはしたけど、私の思い描いた状況とは違うローテンションで、その日の授業は終了。
次に行ったクラスでは、私語をやめない生徒をその場できつめに指導してからの授業展開だったので、そもそも手羽先を食べるという空気感ではなく、このクラス用に準備した手羽先は、翌日の私の朝食になる。
(今回購入した手羽先などは、全て私のポケットマネーですので、公金横領ではありません。念のため。)
という感じで、最初に私が思い描いていた展開の出鼻からくじかれる形で1時間目の授業が終了しました。
でも新たな取り組みをする時って、こんなものです。今回は正直言って私自身の準備や配慮が不足する部分がありましたが、若手であろうとベテランであろうと、手順に不備があれば、結果はだいたい同じです。
大切なのは次行うときに今回の反省点を改善した上で臨むことです。
個人的には、先ほどもお伝えしたとおり、授業でやることはないかなといったところですが、気が変わってもう一回やってみようと思ったら次の点には気をつけます。
1.手羽先は、揚げた物ではなく煮物に切り替えて、食べる前に骨と肉を取り分けられるようにして衛生面に配慮する。
⇒直接口につけた手羽先から標本を作るとなると、生徒にクレームをつけられるだろう事は、容易に想像出来ましたが、準備期間が短くというか私の怠け心が配慮を怠らせてしまいました。煮沸洗浄を行うことを強調しておけば大丈夫だろうと・・・。
※肉と骨を取り分ける方が、軟骨に含まれる指骨などの小骨を誤って食べてしまうことを防ぐことが出来ます。
2.生徒の食物アレルギーの状況など、情報収集を事前に済ませておく。
⇒肉アレルギーというのはあまり聞いたことがありませんが、肉食を避ける生徒はかなりの確率でいると思います。
※それまでの授業で、「骨格標本作ってみようかな~・・・」それとなく生徒たちに提案して、その反応を見て実際に行うのかどうか考えるのも有効だと思います。
以上で、骨格標本づくりの1時間目が終了しました。次回は2時間目と3時間目についてお伝えしますが、そこでも大きな困難に立ちはだかりました。インターネットを検索すると、とても素晴らしい取り組みが紹介されていて、私同様、引け目を感じてしまう先生もそれなりにいるのではないでしょうか。しかし、そういった取り組みも元を辿れば試行錯誤の連続の結果なのではないでしょうか。今回は敢えて、失敗談を中心にお届けしましたが、なかなか日々の授業改善がうまく立ち行かず悩まれている先生方の励みになれば幸いです。
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