目次
はじめに
カルメ焼き(カルメやき、軽目焼)は菓子の一種で、カルメラ、カルメラ焼き、かるやきとも称される駄菓子の一種で、祭や縁日の露店などで実演販売されています。直径10cm前後、厚さ4 - 5cm程度に中央が膨らんだ飴を発泡させた砂糖菓子で、サクサクした歯応えと濃厚な甘味、カラメルのような焦げ砂糖の香ばしい風味があります。
水、砂糖、重曹(炭酸水素ナトリウム)を材料として、溶かした砂糖を重曹で調整した発泡剤と混ぜ合わせることで、重曹の熱分解反応によって発生する二酸化炭素の力を利用して、発泡させています。
※1:失敗した時のことを想定して、2回チャレンジ出来るように銅製のお玉を2個、クッキングシートを2枚準備しています。1回だけ行う想定であれば、お玉1個、クッキングシート1枚でも大丈夫です。
※2:コルクマットは、加熱後の銅製のお玉の置き場所として利用します。100均(ダイソー)で入手可能です。
※3:使用した銅製のお玉と温度計に付着したザラメは冷えると固まってしまい、水で洗い流してもこびり付いててなかなか落ちません。ボールにお湯を溜めて、その中に使用済みのお玉と温度計をつけおきしておくと効率よく洗浄できます。ポットとボールはあると便利です。
事前準備
※発泡剤の調整の様子やカルメ焼きの作り方は上の動画を確認ください。
1.発泡剤の調整
プラスチック製のコップの中に、卵と重曹を入れてよく混ぜます。質量比が卵:じゅうそう1:2となるようにします。卵の質量は大体1個あたり50g程度なので、卵2個に対して、重曹を100g使用します。
出来上がった発泡剤を10個のプラスチック製のコップに分けておきます。
2.道具類の準備
プラスチックケースの中に銅製のお玉2つ、紙皿1枚、温度計1本、50mLビーカー1つ、電子天秤1つ、紙コップ1つ、割り箸1本、攪拌棒1本を入れておきます。
これを10セット準備して、テーブルに配置しておきます。
3.ザラメの準備
10個の紙コップにザラメを入れておきます。
ザラメ入りの紙コップは、まとめて教卓の上に置いておき、実習で使用するタイミングになってから配布するようにします。カルメ焼きが2回作れるように、目分量で大体100gくらい入るようにします。
プラスチックケースに入れたままにしておくと、生徒に食べられることがあるので、できる限りこちら側で管理します。さらに、管理を徹底したい場合は、紙コップに入れるザラメの量も計量しておき、必要最小限ののものを与えるようにします。
4.クッキングシートの準備
クッキングシートを30cm×30cmの大きさに切断しておきます。20枚準備します。
5.実験テーブルの設営
テーブルの上にアルコールランプ、スタンド、コルクマットを置きます。
本時の説明
1.原理解説
熱して融解したザラメ(三温糖)を重曹(炭酸水素ナトリウム)の熱分解反応によって発生する二酸化炭素のはたらきで膨らませることを伝えます。
必要に応じて、重曹(炭酸水素ナトリウム)の化学式の確認や熱分解の化学反応式を確認します。
2.カルメ焼きの作り方の確認
カルメ焼きは、ザラメの温度調整や発泡剤と混ぜ合わせるタイミングと時間にちょっとしたコツが必要となります。口頭での伝達だけでは伝わり難いので、全体で揃って動画を視聴してカルメ焼きの作り方を確認します。
実習
1.ザラメ、発泡剤、クッキングシートを配布
各グループの生徒1,2名に取りに来るように伝える。
2.発泡容器の作成
紙皿の上にクッキングシートをかぶせてクリップで固定します。後ほど、この中に熱したザラメを流し込み、発泡剤と混ぜ合わせてカルメ焼きを作ります。
3.ザラメと水の計量
各テーブルにある電子天秤を用いて、ザラメを40g測りとります。
計量の際には、空の紙コップを使用します。
また50mLビーカーに水を10mL測りとります。
水は教卓前に置きます。
※1の指示を伝えて生徒が動き始めたのを確認した上で、手の空いている生徒たちに対して指示伝達します。
4.銅製のお玉にザラメと水を入れる。
必要な材料が揃ったら、銅製のお玉に入れ、割り箸で軽く混ぜるように伝えます。
5.ザラメを130℃まで加熱する。
アルコールランプに火をつけたら、三脚の上にお玉を置きザラメを加熱します。加熱すると次第にザラメが溶けてきます。ザラメが溶けたら温度計をお玉の中にいれて、130℃になるまで加熱します。100℃あたりで温度の上昇が止まりますが、しばらく加熱すると再び温度が上昇してきます。
6.加熱したザラメを発泡容器に移してカルメ焼きを作る。
ザラメが130℃に達したら、発泡容器に移して10秒数えます。10秒数えている間に、攪拌棒に発泡剤をつけておきます。
10秒が経過したら、攪拌棒でザラメと発泡剤が均質に混ざるように激しくかき混ぜます。15秒間かき混ぜたら攪拌棒をお皿の中心部分から真上にゆっくりと引き抜きます。その後、重曹の熱分解反応によって、発生する二酸化炭素の作用で、モコモコとカルメ焼きが膨らんできます。
※失敗してしまったグループは、もう一度挑戦します。成功したグループは、この後試食タイムです。時間が余ったら残った材料を利用してべっこう飴を作ってみてもいいでしょう。
後片付け
1.銅製のお玉と温度計、攪拌棒は冷えて固まってしまう洗浄が困難になるので、熱湯入りのボールの中につけ置きしておきます。砂糖が溶けたら、水ですすいで洗浄し乾燥させます。
2.割り箸は、洗って再利用できますが、汚れが酷かったら処分します。
3.余ったザラメと発泡剤は回収します。別のクラスで実施する場合は再利用します。