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机間巡視をどのように活用すればいいのか?

今回はその一例をお届けする。

授業時間中、もしも生徒の怪しげな行動に気付いてしまったら・・・教師が生徒たちの方を向いて、説明をしている時に、1人だけずっと下の方に視線を向けたまま、微動だにしない。

居眠りをしているのか?

と、もう少し注意深く観察すると、手先の方は元気に活動している様に見える。

これは携帯電話を操作している!間違いない。

さぁ、この時に皆さんだったらどのような対応をとるだろうか??

 

一般的なのは、ストレートに名指しで注意することだと思う。確かにこれは有効な手段である。しかし、これだけしか手段を持ち合わせていないと先行きが不安である。というのも、99%間違いなく携帯電話を操作していると授業者が確信しても、残り1%の確率でそうでないことがある。実際、私も授業中に何度か疑わしい生徒を発見してきたが、ただ単に下を向いて指を動かしていただけということが何度かあった。

そして何と言って問題なのは、生徒の往生際の悪さである。非常にずる賢い生徒であれば、携帯電話をいじっていても、実際に教師の目には携帯電話が見えていないことを理解している。

だから、教師が

「携帯電話を使うな! 」

と注意しても、

「使っていない!」

と、生徒が反撃してくることがある。

生徒に生意気な口を利かれると非常に腹が立つことこの上無しだが、本当に携帯電話を使っているところを確認した訳ではないので、これ以上、教師側は応戦できない。本当に無実の生徒に対して、一方的に決めつけるような対応をとってしまうと、そのやり取りだけで生徒との信頼関係は修復不可能なくらいに崩壊する。

私は、かつて下の写真のようにたばこを手にする生徒を発見し生徒指導部に報告したが・・・

喫煙イメージ_R

「道に落ちていた物を、たまたま拾った。」

と主張され、喫煙行為ではなく喫煙具所持として、本来なされるべき指導のランクが落とされた経験がある。

これについては、私自身の詰めの甘さがあったのも原因ではあるが、生徒のルール違反に対しては、限りなく黒に近くても、真っ白になってしまうことが少なからずある。

そして、更に残念なことに、携帯電話とはいっても10年以上前の折り畳み式かつプッシュ式の物ではなく、タッチパネル式の薄型のスマートフォンが普及したことにより、授業中の携帯電話の利用方法が巧妙かつ悪質化しているのである。かつての携帯電話の大半は、折りたたみ式だったので、電話を開けて操作をするという手間を必要としたが、スマートフォンは、ただマナーモードにして机の中に忍ばせておけばよいだけである。

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というか、もはやスマートフォンであれば、机の中に忍ばせてこそこそする必要もないのである。
みなさんは、この写真から異変を察知することができるであろうか??
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写真中央の机上にあるペンケースに注目していただきたい。
実はこれ、上から見ると、

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ペンケースの後ろにスマートフォンが横たわっているのである。これが出来てしまうと、もうやりたい放題である。

黒板の前で、講義一辺倒の古風な先生だと、生徒が授業そっちのけで携帯電話に夢中だったことにすら気付けないかもしれない。

机の上に携帯電話を堂々と出して、教師の目が気になるときはノートや教科書の下に隠してしまえばよいのである。ここまでされてしまうと、全ての生徒が怪しくなってくる。さて、このような生徒の悪事に立ち向かう方法があるのだろうか。

「まぁ、許される行為では無いけども、周りに迷惑をかけているわけではないし、もしかしたら使っていないのかもしれないから黙認しておこう。」

という消極的な姿勢でいると、

それは時として、生徒たちに

授業中の携帯電話の使用OK!

という無言のメッセージを送ることにもなる。

こういった時に必要なことは、生徒たちに携帯電話を使わせないような授業づくりを工夫することである。授業時間中に、生徒の怪しげな行為を発見したら、私は事前に作成した授業計画の中のどの段階で生徒を指導できるかを検討する。今回は、その1例として机間巡視を活用する方法をお伝えする。私は、教室で授業をする際は、ほぼ毎回教科書を読む時間を設定している。その時間の手順としては、まず漢字の読み方を全体で確認するために、1人1行ずつ順番に当てて読み上げるよう指示する。

そして、次に全員で読む訓練を行うために隣同士で1行ずつ交互に読み合わせをする。

【イメージ】

二松學舍大学附属高等学校 公式ブログより

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私は、生徒たちに悪さをさせないための牽制をかけるため、この音読の時間を活用することがある。教科書のある一定範囲を指名した代表生徒に読んでもらっている時、他の生徒たちは、同じように教科書本文に目を走らせて、読み方が不明な語句があれば、そこにふりがなをふるように指示は与えてある。しかし、このタイミングは、教師の意識が教科書を読んでいる生徒だけに向きやすく、他の生徒に対して意識が向きに難い時である。携帯電話をいじろうとする生徒は、このようなタイミングにつけ込んでくる。例えば、次の図のように、生徒を順番に指名する流れに沿って、教師が机間巡視を行ったとする。

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そうすると、画像の赤の点線で囲まれた領域は、教師の意識から外れる死角となる。教師の視線は自然と教科書を読む生徒の方に向かいやすく、そうなると多くの生徒たちに無防備に背を向けることになる。そして、その様子は多くの生徒から察知されやすくなっている。そこで次のようなルートで机間巡視を行いながら、生徒たちに音読指導を行う。

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赤線のように、音読を指示された生徒が座る列と反対側から机間巡視を行うと、全ての生徒に対して意識を配ることが出来る。

こうすると、音読している生徒だけに目を向けても、自然と全体を見渡せているような雰囲気を醸し出すことが出来る。

そして、真横から全体を眺めると、机の上にあるものを一望できるので、教師の気配に気付かずに携帯電話に夢中になっている生徒を現行犯で指導することも可能である。そして、このような動きを授業時間中に入れておくと、生徒たちは自然と、この先生の時間では携帯電話が使い難いという判断を下すようになる。
これを行うためには、生徒の顔と名前が一致している必要があるが、もしも業務多忙で生徒の名前を覚える時間が無ければ、座席表を片手に持って行うことができる。

座席表_R

机間巡視というと、古くからある教育用語で大抵は学習指導案を彩るフレーズに成り下がりがちではあるが、目的と用途を明確に利用すれば、現代社会においても絶大な効力を発揮してくれる授業技術である。

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授業資料集

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