校務負担を減らす裏技①(反則技) | 授業の基本シリーズ No.07
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教師の校務負担削減は緊切の課題です。

私自身もかつては精神的に余裕の持てない状況下で、

何年間も教壇に立ってきました。

教育現場での負担過重は、

行き過ぎた進学指導やクラブ活動による業務肥大であったり、

モンスターペアレントや問題行動を起こした生徒との対応など、

現場によって原因は異なります。

それだけでなく、校内組織に適切な人数配置がなされていないなど

学校運営の問題によって、特定の教師に負担が集中するため、

その他の教師が危機感を持てないことも課題解決を遅らせる原因となります。

組織体制の改善に期待出来ない(しない)

そのような環境に身を置いてきた私自身が、

少しでも他の先生方にお役に立てるようにと、

記事の作成に取り掛かった次第ですが、

内容についてあれこれ考えている途中で2回も脱線して、

異なるテーマで記事を発信することになりました。

教師の校務多忙とクラブ活動の外部指導者導入について思うこと。

毅然とした指導 | 教師は大人に対しても毅然と接するべき!

2つの記事を作成して思ったことは、

組織的な非効率性を即座に解消することは不可能であるということです。

したがって、

今現在において校務に負担感を感じている先生は、

自分自身の裁量でコントロールできる業務について

効率化を図っていかないとすぐには、過重な負担からは解放されません。

ということで、

今回は「校務負担を減らす裏技①(反則技)」と題して、

私が実際に利用してきた業務削減ノウハウをお伝えします。

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自身の業務から解決の糸口を探し出す

まず私が着目したのは、

生徒の成績評価における平常点に関わるノート点(ファイルチェック)の時間です。私は、生徒たちが授業にきちんと取り組んでいるかどうかの指標として、

定期考査終了後にファイルを回収してチェックしていました。

私は、この時に生徒のファイルに挟まれたプリントを1枚1枚確認して、

ABCの3段階の評価と押印を行っていました。

 

これを1クラス分確認するだけで1時間30分、

早くても1時間はかかるので、

当時受け持っていた3クラスを合計すると

3時間~4時間30分かかることになります

定期考査期間中なので、比較的時間確保は容易ですが、

精神的に追い込まれた日常を過ごしてきた訳ですから、

こういう時くらいはしっかり休んで次に備えたい。

教育困難校においては、しっかりと休息時間を確保して

精神的休養を図ることが大切です。

特別な配慮を要する生徒たちと関わる時のストレスレベルの高さは、

現場で経験しないとわかりませんが、

大人の会話が出来る高校生とは比較にならないくらいの

疲労が蓄積されているので注意が必要です。

 

これは、決して教師が楽するために休むのではありません。

きちんとストレスを発散しておかないまま、

生徒指導を行うと普段とは異なり、

ちょっとした生徒の気に食わない言動に対して過剰に反応してしまい、

ひどい場合には体罰や暴言を吐いてしまうきっかけとなります。

生徒との良好な関係を築いていくためにも、

休める時間を確保して、きちんと休むことが大切です。

精神的な疲労の蓄積が継続すると、

うつ病を発症する原因にもなります。

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ファイルチェックは授業時間中に行う

そのような事を考えつつ、

私はファイルチェックの時を何とか出来ないかと思案した末、

定期考査直前の授業を利用して、

授業時間中にファイルチェックを行うことにしました。

学校によっては、このような手は使わない方がいいのですが、

私の勤めていた学校では、というか私の授業に対しては、

生徒は前向きに授業に集中してくれないので、

非効率な授業を行うよりは、自分自身のために時間を有効活用することにしました。

 

このような動機だと、

一部(もしくは多数)の方から厳しい意見が寄せられると思ったので、

ブログのタイトルに反則技とつけさせてもらいました。

これは、生徒たちのノートを順番に確認して花丸をつけていく

小学校の先生のアイデアを基にして応用したことですので、

決して邪道な技術というわけではありません。

残念ながら、ファイルチェックを行うと言った時の方が、

50分間座学を行う場合よりも生徒たちは若干ですが喜びます。

(これは私の授業力が低いことの証左でもあります。)

空白禁止の原則に注意せよ

さて、様々な葛藤を乗り越えて、

授業時間中にファイルチェックを行うことにした訳ですが、

向山洋一先生の 授業の腕をあげる法則 10か条のうち

第7条に 空白禁止の原則 があります。

空白とは、生徒が何もすることがない時間です。

私は授業計画を立てる時、

特にグループで取り組む実験授業を計画する時には、

生徒たちの空白時間を意識します。

生徒たちにとって空白時間とは、何もするべきことがない時間、

つまり自由時間を指します。

学習意欲の低い生徒だと、

この時間になると隣の生徒としゃべり始めたり、

携帯電話をいじったりとやりたい放題です。

まだ、それだけならいいのですが、

ADHDなどの多動傾向を抱える生徒がいると、

立ち歩きを始め、仲のいい生徒とじゃれあい、

そのままプロレスごっこに突入し、

最悪の場合、本気の殴り合いの喧嘩に発展することだってあり得ます。

そのような惨事に至ることが無いように、

「空白の時間を禁止せよ!」というのが、

向山洋一先生の第7条による教えです。

授業中に特定の生徒のファイルをチェックしている間、

その他の生徒には空白の時間が与えられています。

私は、その空白時間を埋めるために、

ファイルチェックを行う前に、

この時間の自習用のプリントとして、

テスト対策プリントを配布します。

(プリントのデータについては、FMサイエンス高校化学の部屋よりダウンロード可能ですので、適宜ご活用ください。)

こうしておくと、私がファイルチェックを行っている間に、

生徒はプリント学習に取り組みます。

そして、授業の終了間際に解答を配布します。

これで、私の業務時間が見事に削減されました。

学期制であれば、1年間に定期考査が5回あるので、

5×約4時間=20時間 の業務削減です。

どうでしょうか。今回は大胆なアイデアになりましたが、

校務負担に押しつぶされて戦線離脱してしまうより、

こうした手段を選択した方がいいと思います。

日頃、業務に負担を感じているからこそ、

まさに死中に活を有りです。少し思い切った手段を選択して、

その苦難を乗り切ってください。

 

授業の技術シリーズ(続き)はこちらのガイドを活用ください。

授業資料集

実際の授業で利用した全データについてはこちらを参照ください。
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