秀岳館高校の学校組織の仕組みについて(秀岳館高校①)
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秀岳館高校の指導者による暴力問題に端を発して、連日に渡って様々な問題がメディアで報じられていますが、私自身が元高校教師ということで、今年の3月までは学校現場に勤務していたこともあって、この問題についてはいろいろと思うところがあります。

今回はメディアから報じられている情報をもとに、秀岳館高校がどういう学校なのかを解説します。

 

秀岳館高校の偏差値と口コミ

まず秀岳館高校の口コミ評価を見てみると

高校偏差値は38~44、口コミは5段階で2.94

とかなり低めです。

高校偏差値からは大体どういった生徒が入学してくるのか

口コミからはそこに通っている生徒の学校に対する評価を読みとれます。

高校偏差値

 

高校偏差値が30台ともなってくると、中学校での成績は5段階評価で考えると、何かしらの教科で1とか2の成績評価を受けた生徒が入ってきます。

 

成績評価というのは、勉強が苦手でもきちんと学校に通って先生の話を聞いて指示に従っていれば真ん中の3の成績は取れるもので、

成績評価が2とか1になってくると、本当にその科目が苦手な生徒に加えて、宿題を出さなかったり、時には教師に対して暴言を吐いたりするなど、不適切な行動に起因して成績評価が低くなるケースが含まれてきます。

 

国語とか数学であれば、大体は筆記試験の成績で評価が決まってしまうので、学習障害に近いレベルになってくると、どれだけいい子であっても厳しい成績評価になってしまいます。

しかし、

それでも成績1というのは、高校で言えば単位不認定になってしまう評価基準なのでなかなかつけられません。

 

それで成績1をとってしまうケースというのは、2つくらいあって、

①いわゆる不登校の生徒で、欠席が非常に多くて成績評価がつけられない場合

と、

②教師に対する態度が悪くて態度点が低い場合

があります。

態度点というと、生徒を主観的に評価することになって、それが何かしらの不平等やトラブルの原因になってしまうので、

我々は平常点と言ったりもしましたが、通常は欠席数とかノートや宿題の提出物をチェックすることで、生徒の人間性を数値化する仕組みになっています。

授業中に寝ている生徒であれば、その時間のノートをチェックすれば余白だらけになっていると思うので、一定の基準でその時間の生徒の態度を公平に評価することが出来ます。

従って、高校偏差値が30台の学校となると、勉強が苦手な子に加えて指導困難な高校生が一定数入学してきます。

一方、口コミの方ですが、こちらもかなり低くて、確かに指導が困難な生徒が一定数 入学してくるわけなので、生徒目線で見ても評価は低くなりやすいです。ただ、高校偏差値が低いから学校の口コミが悪いかというと、一概にそうとは言えなくて、先生方が努力をして一定の評価を受けている学校もあります。

口コミ

 

実際に口コミを見てみると

 

学校の指導が緩い割に髪染め、ピアスから酒、たばこと校則や法律を無視する生徒がたくさんいる。

とあります。

それに対して、学校での服装指導は年に2,3回程度で指導と言っても生徒たちはその場で直すだけで後は元通り。

 

先生たちは見て見ぬふりで、そういった生徒たちの改善を求めても無意味!

 

とかなり厳しい評価になっています。

髪染めとかピアスなんかは、大学生でもやってることで、その行為自体は個人の価値観の問題であって悪いことではないと思いますが、

 

大切なのは、与えられたルールやマナーを守れる生徒なのかどうかということです。

 

それで、この学校にはルールやマナーを守れない生徒が一定数というか、この口コミだとかなりいるということです。

これは個人的な感覚ですが、

大体高校生にもなったら、自分の意思で大抵のルールやマナーくらいは守れるだろうと思いますし、実際、そういう高校生が集まってくる学校だと生徒指導の負担が少なくて、そこで働く教員にとっても生徒たちにとっても楽しい学校生活が送れます。

 

本来、こうした事が前提となって義務教育の次の段階の高等教育に移るわけですが、実際はそんなに簡単なことではありません。

 

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秀岳館高校サッカー部

ということで、秀岳館高校は生徒指導がそれなりに大変な学校になるわけですが、その話の前提でサッカー部のことに移っていくと、

秀岳館高校サッカー部のことを調べていくとJリーガーを輩出する程の強豪チームであることがわかってきます。

サッカーで日本一になりたくて、毎年、県外から進学してくる生徒もいるみたいです。

 

ですからサッカー部に関しては、高校の入学には一定のハードルが設けられていたと思いますし、入学後も一定の競争原理が働いていたはずです。

だから、サッカー部の生徒にとっては、段原先生を始めとするクラブ顧問の先生は、最大限の敬意を払うべき絶対的な存在で、

秀岳館高校は生徒の口コミによると荒れた学校で、ルールや法律を無視する生徒がいる一方で、

サッカー部については表面的にせよ規範意識がかなり徹底されていたものと推察されます。

 

そういったことから考えていくと、

秀岳館高校には、サッカー部員を校内の模範生徒にする事で学校内を浄化する仕組みが備わっていたのではないでしょうか。

教師が暴力を振るっても、反抗することもなくただ殴られることに耐えるほど

教師の体罰を正当化するために、生徒たちに釈明の動画を撮らせることが出来るほど

サッカー部の顧問であるというのは、生徒たちにとっては絶対的なものだったんです。

 

日本一を目指せる強豪チームで、250名にも及ぶ部員個人の立場からすると、

 

先生に逆らったらスターティングメンバーから外されてしまう…

 

という意志が働くと思います。

サッカーをするために高校に入学してきたわけですから、生徒からしたらサッカー部を辞めてしまうと、学校には何も残らなくなってしまいます。

だから、サッカー部じゃない生徒がやりたい放題なのに対して、サッカー部の生徒は先生には逆らえないですし、理不尽な言動に対しても黙って従うしかない訳です。

こういう人間関係を学校現場で利用することがあります。

例えば、サッカー部の生徒だったら、ピアスをあけることなんて以ての外でしょうし、もしも、ちょっとカッターシャツが出てたり服装が少しでも乱れていようものなら、他の生徒が見ているところで、

サッカー部がだらしない恰好をしてどうするんだ!

 

と、キツめに指導して他の生徒の見せしめにも出来ます。

そうやって悪い事をしてはいけない事を間接的に他の生徒たちに伝えていくわけです。

サッカー部の顧問の先生じゃなくても、

反抗的な態度をとれば、段原先生にチクられる!

 

そういう勘がサッカー部の生徒には働くので、他の先生の指導であっても大抵は素直に従ってくれます。

こうしてみると秀岳館高校という学校は、おそらくサッカー部を始めとするクラブ生を模範として、学校内の規律を正していく仕組みが備わっていたのではないかと推察します。

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