朝の教室整備から得られる恩恵 | 授業の基本シリーズ No.09
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朝の教室整備には、ADHDなど配慮が必要な生徒との関係を

良好に保つ秘訣が隠されています。

教育困難校においてクラス担任を受け持つと

それなりに大きな精神的負担が覆い被さってきます。

クラス担任は、朝の打ち合わせなどにおいて、

教務部、総務部、生徒指導部、進路指導部、保健部などの

各分掌や外部からの連絡事項を生徒たちに伝えたり、

配布物を配るように依頼されますが、

1部署単位では小さなタスクであっても、

それが重なると莫大な負担になります。

「私の代わりにやっといて!」

といった軽い感じでお願いされますが、

きちんと集中して話が聴けない生徒たちにそれを行うのは至難の業であり、

毎朝たった数分間の出来事ですが、

それでもかなりのエネルギーを消耗します。

そのような学校で勤務されている先生であれば、

私の気持ちが伝わるのではないでしょうか・・・??

前日の放課後、綺麗に教室を掃除したはずなのに、

朝のホームルームの時間には、

既に机の上が散らかっていて、

とても配布物を配れるような状態でない生徒が数名。

そして、そのような生徒に限って落ち着きがなく騒がしい。

時には、もしも俺に注意しようものなら噛みついてやるぞと言わんばかりに、

朝の初っ端から既に不機嫌な表情で目がイッていることもあります。

もうすでに臨戦態勢の生徒に注意をすれば、

ほぼ確実に口論となります。

きちんと伝えるべきことを伝えるのが教師の仕事ではありますが、

毎日毎日喧嘩ばかりしていると、

こちらのエネルギーが消耗し身体が持ちませんし、

生徒にとっても

「何でいつも自分ばかり怒られてんだ!」

と卑屈にしてしまっては、

自己肯定感を持てる人間へと成長できなくなってしまいます。

そのような生徒を受け持っていた私は、

ある事を続けるようになってから、

朝のイライラが無くなり、

朝の事務連絡をスムーズに進められるようになりました。

それが朝の教室整備の習慣です。

■朝の教室整備の習慣

以前勤めていた高校では、クラス担任を受け持つようになってから、

出勤時間より少なくとも1時間早く出勤し、

トイレのスリッパを揃えたり、

自分のクラスの教室のカーテンを開けたりすることを最初の日課としていました。

朝早くに登校して最初にトイレを利用する生徒が気持ちよく使用できて、

そして

「日当たりのよい教室で生徒を迎えてあげられるように。」

との配慮から思いついた習慣です。

そしてある時から、

特定生徒の散らかった机も一緒に整理整頓するようになります。

それからしばらくして、ある変化に気付きます。

「そう言えば最近、あの生徒が朝イライラしているのを見てないな」

私自身についてもそうですが、

散らかった机では、何かに取り掛かろうとしても

気が散ってなかなか集中できません。

整理整頓の出来ない生徒が、

前日の放課後に友人との雑談にふけったりして、

自分の机を散らかしたまま下校します。

そして、その翌日に登校して自分の席について携帯ゲームでもして、

時間を潰そうにも机の上の私物が邪魔で、ゲームがやり辛い・・・。

そしてイライラ・・・。

実際のところ、なぜ朝の初っ端からイライラしているのかわかりませんが、

散らかった机がかなり高い確率でその原因となっていたみたいです。

 

特定生徒が朝にイライラしなくなりホームルームの時間が

スムーズに進む程度のことは、

トータルの仕事量で考えると微々たるものですが、

教育困難校においては、この小さな違いがとても大きいです。

自分のクラスの生徒が毎日騒がしくて困るという先生がもし見えましたら、

即効性はないですが一度お試しください。

授業の技術シリーズ(続き)はこちらのガイドを活用ください。

授業資料集

実際の授業で利用した全データについてはこちらを参照ください。
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